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やすらぎへの道

やすらぎへの道

伊豆へ

「伊豆へ」

温暖で冬にも気軽に行けて、温泉があって、個室が何室か
取れるようなそんな施設に移ろう。

ただ、施設を移転させるだけではなく、その施設を核にして、
近くにお年寄りや社会とうまく関われなくなっている人達が
一緒に暮らしながら、社会復帰できるような施設も作りたい。

そして将来的に、そんな施設が一体となってその周辺が
現代人のやすらぎの里になっていけたらと思うようになってきた。

5年間施設を運営してみて、少しずつ自分の気持ちも変化してきた。

なかなか普段の生活ではライフスタイルを変えようと思っても、
現実には難しい人もいる。

そんな人にも、ここにいるときだけでも、やすらぎを感じて欲しい。

そして、そんな体験の中で、その人なりの気づきを感じて
もらえれば嬉しい。

そのような思いを込めて新しい施設は「やすらぎの里」
という名前にすることにした。

思い立ったらとりあえず、行動してみる、
細かいことは後から考える。

さっそく、新しい場所探しが始まった。

東京や名古屋、関西など大都市圏からのアクセスが良くて、
温暖で温泉があって、自然が残っている。

そんな条件をクリヤーできるのは伊豆しかなかった。

フォルスを始めたころは銀行の信用もなく融資も
少ししか受けられなかったが、今度は5年の実績があったので、
銀行の信用も少しはできた。

フォルスをやっていた5年の間にバブルの整理がすすみ、
伊豆の不動産の相場もさらに下がってきた。

特に、企業の健保組合の保養所はどこも閉鎖続きで、
古い保養所の売り物件はたくさんあった。

思い切るなら今しかないと腹を決めて、
小淵沢と伊豆を往復する日々が始まった。

片道5時間、通常通り仕事をこなしながら、
毎週のように通い詰めた。

自分の休みにしている水曜日は朝4時に起きて、
車で5時間かけて伊豆に行き、不動産屋に紹介してもらった
物件を見たり、周囲の様子を調べた。

夕方に伊豆を出て、真夜中に小淵沢に着く。

次の日は朝7時30分から朝の体操をして
治療をする毎日が続いた。

普段も新しい施設のプルグラム作りで、
毎日深夜まで案を練っていた。

こんな毎日が続き、寝る時間も削っていたが
不思議なことに疲れはほとんど感じなかった。

新しい施設の計画を立てていると「こんなのがあったら、
きっとゲストの方が喜んでくれるだろうな」とか
「こんなこともできたら、もっとみんな嬉しいだろうな」
などと考えていると、ひとりで興奮してきて、
寝てなんかいられなかった。


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