エルヴィス・プレスリーの素顔
今日リノッピの付き合いでTSUTAYAに行ってきた。最近近場のビデオ屋から電車で一駅先のTSUTAYAに替えたのだ。近場のビデオやも比較的タイトル数は多いのだが、やはりTSUTAYAには敵わない。子供達の見ているNARUTOとか、遊幽白書とか、近場のビデオ屋では見るものがだんだん尽きてきたのだ。ボクは見たい映画もなかったので、音楽DVDを借りることにした。さすがTSUTAYAでも基本的には古きも新しきもメジャーなものしかなかった。それから、ボクはライブものはあまり好きでない。なぜなら、スタジオで完璧に作りあげたものをライブでやると、音がダメになったり、パフォーマンスに失望したりするからだ。(勿論ライブパフォーマンスの方がいいアーティストも多いけど)だから、何かMTV的なものを期待して探した。で、そこで何を借りるか、30分ほど迷った挙句、U2、CURE、ペットショップボーイズ、エルヴィス・プレスリーに絞った。最終的にはアーティスティックなライブを期待してペットショップボーイズと、見たこともない曲を聴いてみたいという衝動に駆られてエルヴィス・プレスリーを選んだ。うちに帰ってすぐにまずペットショップボーイズをパソコンで開いた。想像したとおり、芸術的なライブで、ポップ・アート的なパフォーマンスで構成されていた。イギリス的な暗さと気持ち悪さを早送りで見て、「あー、こんな感じか。」と大体予想したようなビデオだった。次にエルヴィスを開いたら、これが実に衝撃的だった。70年代の全盛期のエルヴィスをドキュメンタリー風に作った映像で、前半はライブのリハーサルを流して、後半はラスベガスでのショーを流したものだった。映像、音自体は古いのに、非常にいい出来だ。映像ディレクターは倉庫に眠っているものを掘り出して、ほとんど未公開の映像を30年後の2001年に編集・製作した作品だった。普通に演奏をしている風景なのだが、そこにエルヴィスの人の良さ、妥協をしない厳しさとミュージシャンとしての才能、エンターテイナーとして女性や男性を虜にする彼の魅力がつまりに詰まった作品だ。当時のファンが熱狂して卒倒するのが良く分かる。リハーサルなのに即興音楽になっており、バンドのチームワークの良さやエルビスが実にかっこよく映し出されている。ボクはもともとファンではないが、いくつかエルヴィスの曲、カバーされている曲で育った世代だ。UB40やファイン・ヤング・カーニバルズのカバー「Suspicious Mind」は大好きだ。初めてオリジナルを聞いたが、オリジナルの方がかっこよかった。エルヴィス・プレスリーというと、恐らくボクの世代以降の人たちは、毎年死後何周年に開催されるエルヴィスの誕生日に、エルヴィスのまね、揉み上げとサングラスをつけたおっちゃん達が「柄にもなく」、とか、「いい年こいて。」って思っていた。おっちゃんたちの世代が熱狂する理由がようやく分かった。ボクは、彼が全盛期のその時代を生きていないので、その熱狂度がどこまですごいか分からない。しかし、少なくとも20世紀を代表する歴史を変えたトップクラスのミュージシャン、ロックンローラーであることは、今日受けた衝撃から想像に難くない。ファンならずとも是非一度エルヴィスのライブを見て欲しい。DVDはこちら。(原題:ELVIS That's the way it is、邦題:エルヴィス・オン・ステージ スペシャルエディション)ペットショップボーイズはこちら。レンタルで聞きたい方はTSUTAYA、ライブドアポスレンでどうぞ。