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2006年08月08日
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平成10年8月8日。

この日は、広島出身の棋士、村山聖さんのご命日です。

むらやまさとし、と読みます。

棋界でのあだ名は、「ひじりちゃん」だったそうです。

わずか29歳の若さで、生涯をネフローゼと闘い

将棋を通じて、心に翼を付けて、大きく自分自身を生きようとした人。

「聖の青春(大崎善生・著)」は、男の人でも号泣すると聞きます。


私は、村山さんの存在を、彼の死後、知りました。

「驚き桃の木20世紀」という番組で。

同時期、「知ってるつもり?」でも、彼の事を取り上げています。

放送局の違う番組が、同一人物を取り上げる位

彼の生き方が、まっすぐで、ひたむきで、キラキラしているんだと

私は思います。

村山さんは、甘えてないんです。


彼の弟弟子・山崎隆之さんの、追悼文を紹介します。

山崎隆之追悼文

 「村山先生が亡くなった」突然の知らせだった。ウソダロ、ナンデダヨ。
 「ずっと体調が悪かった事は、”絶対に知られたくない”との本人の希望で知らせなかった」
心配されるのは好きじゃないみたいだった。
病気がハンディだと思われるのや同情が大嫌いみたいだった。
「知られたくない」か村山先生らしいなっ。

 村山先生はお世辞の多いこの世界で、僕が天才だのと言われ
「オレが天才に見えるか天才が多い世界だなー」
とイヤになっている時
「山崎君、弱いですよ」「山崎君も終わりかな」
四段になってからも将棋を見て
「山崎君、もうちょっと強かったと思ったけどな」と見たまんまを言ってくれる人で、
やる気も出るし、うれしい気持ちにさせてくれた。

歯に衣着せぬ人だったけど
根がやさしいから村山先生を嫌いな人なんて聞いた事がない。
 よく僕達に食事をご馳走してくれた。焼肉屋さんに行った時ひょんな事から自由ってあるか
ないかの話になり僕達はあると言い村山先生はないと言い、あるんだって気持ちをぶつけると
ないんだって気持ちがバンと返ってきた。
 こういう時、年が若いとか関係なく気持ちをバンと返してくれた。

 「自由ないよ」って言ってた村山先生が一番自由に生きようとしてた気がする。
 音楽や本の話の時も「これメロディがいいんだよ」とか「これはね…」って熱心に思い入れなどを話してくれた。
なんに対してもいいかげんな思いいれはしないようで将棋に対しては特にそうだった。
 この前、村山先生の昔の記事を見た。
 「将棋は心が疲れる、負けた時は死ぬかと思う」「将棋に一生をかける価値はあるか」
昨年大手術をした時行ったら棋譜を並べてた。
この言葉は本当の様な気がする。将棋に全力を出すとは思うけど、
負けたら死ぬと思うとか一生をかけるとか。
図のたった八一個の桝目と四〇枚の駒に…。
そこまでしないと全力を出すって事にはならないのか。どうやら相当自分は甘い考えをしていたみたいだ。
 しかしほんとに精一杯生きるんだって感じで、すごく魅力的な人だ。
 村山先生好きな人たくさんいるから、たぶんみんなの心の中にずっと居るだろう。村山先生
ありがとうございました。


村山さんは、4歳の頃から、ちょっと無理すると

ずっと寝て…、絶対安静にしなければいけないような

それほど、重いネフローゼだったのです。

それは生涯、彼の背負う十字架でした。

でも、山崎さんの追悼文にもあるように

村山さんは生きることに一生懸命で、ひたむきで。

こんな人みたいに生きたいものだと思うんです。













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最終更新日  2006年08月08日 11時11分14秒
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