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JUCOU GALLERY

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不機嫌な獏 夢を観てしまった男

獏は人の夢を食べるという。
夢を食べられてしまった人間は、一体どうなるのだろうか。
毎日のように起こる少年たちの犯罪。
彼らはこの若さで、もうすでに獏に夢を食べられてしまったのだろうか、自分から獏に夢を喰わせてしまったのか、まさかそんな事は無いと思いたいのだが。
そう言えば、僕も若い頃夢を獏に食べられてしまった事が有るような気がする。
子供の頃から、僕は絵描きになりたいと思っていた、その夢に向かって勉強もした、美大にも入った。
ある時、僕の中に何かが住み始めた。
そしてそれは、だんだん大きくなって行った、心の中でそれはぎしぎしと音を立てて見る見るうちに僕の体を乗っ取ってしまった。
獏に、夢を食べられたんだ。
僕は大学を辞めた。
絵を描かなくなった。
15年彷徨い続けた。
気が付くと、僕は全てを無くしていた、友人も、家庭も、人間関係のほとんど全てを。
僕の目の前で、巨大に膨れ上がった獏が黄色い歯を剥き出して、にやりと笑っていた。
「ボクハ、コノママ、トシオイテ、シヌノダロウカ」
「イヤダ コノママ シヌノハ イヤダ」
目の前の小山のような獏が少し縮んだ様なきがした。
「もう一度、絵が描きたい」
僕の心の中に獏が喰い残した夢の欠片が残っていたのかもしれない。
僕はまた夢を見始めた、今度の夢はもう絶対獏には食べられない。
僕の見れる最後の夢だから。
  僕の背後で、獏がにやりと笑ったような気がした。



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