金輪際金輪際・・・もう二度と、等と言うにはあまりにも強烈な響きを持つ言葉だ。この単語には内容を曖昧にしたり、優しく振る舞ってみせる助詞などない。 言い切っているのだ「こん・りん・ざい」なのである。 気持ちの中で整理しなければならない過去。思い出したり、引きずられたりしたとき、 よく使う言葉、金輪際。 最近の若者はとんとご存じない言葉かもしれない、確かにその言葉の響きには どことなく古めかしいものを感じない訳ではない。 だが、そんなことを言っては話が先に進まない。 本題に入る。 「金輪際」の使い方なのだが。 「こんなに惨めな恋愛は、金輪際しない」は「金輪際」を使ってもいい。 恋愛は今後もするかもしれないが、*こんな惨めな恋愛はしない。これは がんばれば可能であろう。 しかし「金輪際恋愛なんかしない」では許されない。「金輪際」ではなく「もう二度と」 を使うべきである。何故ならば、恋愛は、しないと思っても本能が突き動かす行為であるから、 あがなえないのだ。 二度と恋愛しないはずがないのにここで「金輪際」な使うのは、大嘘つきとなるからである。 然程、日本語というのはT.P.Oによって複雑に使い分けるべく作られているのである。 そんなにも深い意味を持つ言葉を持つ民族に生まれたことを誇りに思うのだが、 しかし残念なことながら、僕はそれほどの語彙を持っていない。 何万語もある日本語の単語を覚えるほどの脳の許容量がないのである。 もし借りに、僕がどこかで「金輪際」を間違って使ったとしても、 大嘘つきとは思わないでいただきたい。 「語彙」を持たないからである。 「恋愛は、金輪際しない」と、僕が言い切ったとしてもそれは、 「もう二度と恋愛なんかしない」ぐらいの意味だと捉えていただければ、 これに勝る幸運はないのである。 (獏) ジャンル別一覧
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