ほんとの日々

2008/05/31(土)23:00

スパイの名にかけて

創作ことば(105)

近所のさほど親しくはない家に犬がいる。 彼だか彼女には正式な名前があるのだろうが、 わからないからここはオーソドックスに「シロ」で。 彼だか彼女だかが白い犬なのは言うまでもない。 「シロ」は私を見ると「とりあえず吠える日」と「全くのシカトをする日」がある。 そりゃあ、激しくある。 前者ではひたすら、けたたましく、全身全霊をかけて吠える。吠えまくる。 後者では、こちらを見向きもしない。 長い年月、私は考えていた。 吠えられる日とシカトされる日の私は何が違うのか。 お弁当に肉でも入っているのか。 シロの好きな色の服でも着ているのか。 納豆を食べた朝か。 背中に羽根でも生やしてしまったか。 しかし、どの答えもしっくりはこない。 そして、また年月が過ぎた。 それは何てことない日のことだった。 突然、私は悟ったのだ。 シロは2匹いる。 シロAとシロBがいる。 シロAは常に私を見れば吠えるが、シロBは常に私には興味がない。 なんてこったい!! こんな簡単なことに私はなぜ気が付かなかったのだろう。 この続きは、 シロAとシロBのチェンジの瞬間が見られた場合にのみ、ご報告いたします。 また、いつまでも仮名ではシロも切なかろうと思うので、 本名の調査もしてみようかと思います。 スパイの名にかけて。

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