カテゴリ:「二人羽織とはず語り」
今年も公演終了のご挨拶が、ものすごく遅くなりました・・・ というか、今までで一番遅いのではないでしょうか。 毎日のようにこのサイトを訪問して下さっていた方々本当に申し訳ございません。 そしてありがとうございます!! こんなにも遅くなった言い訳(恒例)を申しますと、 まず、ご来場いただいたお客様にお礼状を送るのが先!と お礼状を書いていたことと 公演後記を書いたら今年度の「原点」も 本当に終わってしまうではないか という私のセンチメンタルな気持ちによるものでございます。 ☆☆☆ 今年度は6月21日、 アール座読書館で千秋楽を迎えました。 口には出しませんでしたが 悦子とアイさんの命日のほぼ真ん中だなあと ぼんやり思っておりました。 ご来場下さった皆様、本当にありがとうございます。 アール座は建物の設計上、音が響かない作りになっておりまして、 どうしても声の出し方や読み方が他の会場とは異なってきます。 それも影響があるのかもしれません。 毎年アール座には本当に独特の緊張感と開放感があるんですよね。 自然と体から力が抜けて、心の温度が上がるのに、 頭だけがどこまでも冴えている。 ああ、この感覚が「原点」の会場であるアール座だ と噛み締めておりました。 静寂を作っては埋めていく水音。 現実を忘れさせてはくれない外の声。 アール座特有の入り込むような空気。 室内は静まり返っているのに外の音が聞こえ、 ライブ感が強まるというか 現実と過去が交錯するような感覚になるんです。 今年は何だか会場の皆さんとひとつの大きな夢を見ている感じだなあ と思いながら読んでいたのですが、 同じような感想を持たれている方がちらほらいらっしゃいました。 不思議。 ひとりでいながら みんなとつながっていると感じられる あの特別な空間は、 きっと悦子も気に入っていると 私は勝手に確信しています。 あの時間、アール座にいらして下さった皆様 本当にありがとうございました。 ☆ さてさて以下、毎年残しているものを少し変えて 変わらない部分を、今年も↓ 続けて行く上で、一番怖いのは「慣れ」です。 残念なことに何でも、 新鮮さはすぐになくなって、完熟し、放っておけば傷みます。 回を重ねれば、よりよくなると思いたい。 でも残念なことに、実際は、回を重ねれば重ねるほど、 読み手もお客さまも慣れ合いになるのが普通なのです。 毎年脚本が変わるのも、会場が一箇所ではないのも、 手書きの台本を使っているのも、 受付を自分でやるのも、リハーサルを一切しないのも、 基はといえば、慣れないための苦肉の策。 そして、誰に習ったわけでもない、 この「慣れ」への危機感は 多分、悦子も持っていたんじゃないかなと思うのです。 今年も文字通り、自分の「原点」を知らされた一ヶ月でした。 年が明けたら準備に入っていたので、 今年も終わったのが信じられず、 いまだに少しボーッとしております そして、終わらせたくないために、公演後記が遅くなるという(笑) 皆さま、本当にありがとうございました。 そしてまた、お会いしましょう。 経験を積んで、くやしい思いをたくさんして、 今度は何が見えるかな。 見えなくなっているものもあるのではないかという 怖さもちゃんと受け止めて また来年、「原点」に向き合えますように。 やっぱり、この本は私にとって、特別です。 本当にありがとうございました!! ☆ 「思うこと」がそれぞれ違うのがこの作品、 全員が「いい」と言ったら、それはそれで違うと思うのです。 そしてみなさんの中にそれぞれの「原点」や「悦子」があるように 私の中にもあるのです。 私の場合は、この本と悦子は、 あの時代を伝えるためだけに存在しているわけではない 自殺した女の子というだけではなくて、 こんなにも一生懸命「生きていたこと」が書かれているのが 「原点」で、高野悦子なのだ というのが譲れないこと、だったりします。 また今年も、まだまだ 「新鮮でした」「瑞々しかったです」 「新しい発見がありました」 「漸くわかってきたこともありました」という感想があって 少しだけ安心することができました。 当たり前のことなのですが、 「作為」で取り組むとこの作品はすぐに死ぬのだと思います。 1秒だって気を抜けない状態を保って、ようやく、 「高野悦子」に会えるんですよね。 まだまだ、読み手としても、もがきます。 2024「原点」終わり。 またね!! 本当にありがとうございます。 感謝。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年07月28日 15時45分19秒
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