カテゴリ:道、街道
仙台市街の北側に「北山」と呼ばれる小さな尾根(比高20m程度)がある。青葉城址から北4km付近。この北山には、多くの神社・仏閣が点在して寺町を形成している。京都五山・鎌倉五山を倣い、五山ケ寺が配置されている。その中で、輪王寺は庭園を持った名刹である。
仙台輪王寺の盛隆は、伊達氏の躍進と一つにしている。寺の創建は1441年、伊達氏発祥の地・福島県梁川で「金剛宝山輪王禅寺」であった。伊達氏はその所領を転々と変えたが、輪王寺も米沢、会津、岩出川などを転々として来た。6回の移転があったとされる。 伊達氏の援助が途絶えた明治後に起きた北山大火では、山門の仁王門を残しすべて灰燼と化した。従って、この山門のみが320年間、仙台の歴史を見つめてきた。仁王門は、屋根に鬼瓦と鯱が飾られた八脚門(やつあしもん)で、江戸中期の面影が残る建築物(仙台市文化財指定)。 仁王門と本堂階段までの参道は、以前杉並木があった。しかし、北山を越えた新興住宅方面からの交通渋滞が問題となり、参道が都市計画道路ルートとなる。開削トンネル工法で現状復元を図る対策がなされた。今年の春に北山トンネルは開通した。昔の杉並木はないが、植樹され緑が戻りつつある。 写真-1 仙台市北山に建つ輪王寺の禅庭園。 写真-2 輪王寺の仁王門。明治時代の大火を逃れた古い八脚門(やつあしもん)。 写真-3 復旧された参道。この下を道路トンネルが通っている。 写真-4 開通した北山トンネル。奥の小山が輪王寺。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012年07月02日 21時09分59秒
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