カテゴリ:走思歩観
青梅市吉野梅郷の近くに、吉川英治記念館と旧宅の草思堂がある。昭和19年に家族と共に疎開し、約10年間過ごした場所。70年の生涯におよそ30回の引っ越しをしたという彼にとって、一番長く住んだ町。養蚕農家の家屋敷だったもので、頑丈な建物。吉川英治記念館は昭和52年にオープン。 執筆で多くの時間を過ごした洋式の書斎も復元され、枝垂れ梅が植えられている。この書斎と庭で小説「新・平家物語」を書き続けたのだ。庭園のシンボルは樹齢600年と推定される椎の木であるが、紅白の梅も主役である。平家と源氏とを梅に重ねて、草案と思考を練ったと思われる。 新平家物語は、週刊朝日に連載(昭和25年から昭和32年)され、世に出た。作品は、平家方・源氏方・奥州藤原・公家の盛衰を描きだした不朽の名作。記念館には、挿絵いりのゲラ刷りや週刊誌が陳列している。名優といわれる顔も並んでおり、懐かしさひとしおだ。 NKH大河ドラマの10作品目に新平家物語が放映された。40年も昔のことだ。「平清盛」に仲代達矢、「平時子」に中村玉緒、「祇園女御」に新珠美千代らが出演している。またチョイ役で、昨年亡くなった中村勘三郎さんが「平敦盛」を、西田敏行さんが「北条義時」役を演じていた・・。 写真-1 吉川英治記念館の庭園に存在感を示す椎の木。樹齢500年から600年と推定。 写真-2 母屋の離れにある書斎。原稿の締め切りに追われる日々もあっただろう・・。
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Last updated
2013年03月21日 10時44分05秒
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