清多夢くらぶ

2017/05/06(土)12:00

断崖の道 鬼ヶ城

世界遺産(60)

 吉野熊野国立公園内の熊野市木本町に世界遺産・鬼ヶ城がある。国の名勝で天然記念物。鬼岩屋(おにのいわや)と呼ばれた千畳敷と断崖の中腹に作られた約1Kmの遊歩道からなる奇景だ。国道42号鬼ヶ城トンネル(延長570m)の迂回歩道ともなっている。  鬼ヶ城は、志摩半島から続くリアス式海岸の最南部に位置する。熊野灘の荒波に削られた大小の海蝕洞が見られる。鷹のクチバシのように先端が尖がり、天井部分はハチの巣状の模様が際立つ。  平安時代の鬼退治伝説が残っている。この岩場を根城にする海賊・多俄丸が暗躍していた。近くを航行する船人からは鬼と恐れられていた。時の征夷大将軍・坂上田村麻呂がこれを成敗した。つまり鬼退治の言い伝えだ。鬼にまつわる話は日本各地あり、風習・文化に関係している。  鬼ヶ城は、伊勢参りした後に熊野詣をするための熊野古道伊勢路にあたる。主ルートは鬼ヶ城トンネル山上の松本峠越えであるが、修験者立は岩壁を蟹歩きで踏破したのだろう。この断崖を過ぎると、風光明媚な七里御浜が待っている。 写真-1 奇景・鬼ヶ城への東口遊歩道。 写真-2 鬼の棲みかとも呼ばれた千畳敷。海蝕と風食の岩場。 写真-3 断崖の途中に設けられた通路。 写真-4 来た通路を振り返る。崖の上に見晴し台らしきものが見えた。 写真-5 断崖から七里御浜と熊野山地を望む。 写真-6 鷹のクチバシのような奇岩。

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