2018/05/29(火)12:00
調布堰堤 浄水場跡
多摩川で一番河口に近い、最下流の堰堤は調布取水堰。昭和11年に、飲料水を確保するために作った堰堤と浄水場跡が多摩川13.3km地点にある。堰から取水された水は、調布浄水場へポンプアップされた。最下流ならでの悩みがあった堰堤だ。
高度成長期、多摩川の水質は悪化の一途をたどる。昭和45年には、飲料水から工業用水へと転換した。それに伴い、亀甲山に造られた沈殿池、ろ過池は不要となる。現在、多摩川台公園に水生植物園として沈殿池跡地などがあった。
取水堰が河口に近いが故に、船舶の往来が多かった。このため堰堤の横に閘門が作られている。従って現在も、船は調布取水堰を乗り越えることができそうだ。
近年、多摩川の水質は大幅に改善され、アユが遡上している。遡上期間中は、可動堰を倒してアユの遡上を応援しているという。また、サケの遡上も確認されている。今や堰が水辺を創り出して、多様な生き物を育んでいるようにも思える。
写真-1 丸子橋から東横線橋梁と調布取水堰を望む。
写真-2 左岸側に閘門が設置。
写真-3 多摩川台公園の浄水場跡地利用。
写真-4 調布浄水場のろ過池跡。
写真-5 アユやサケが遡上する多摩川になった。