奥日光の湯治場と湯ノ湖
日光湯元温泉は、群馬・栃木の県境・金精峠の麓にある湯治場である。勝道上人が発見した1,200年の歴史がある温泉郷で、リウマチや皮膚病に効能があると言われている。昭和29年に「国民保険温泉場」第1号群に指定を受けた。健康に対して温泉利用の効果が期待できると言う訳だ。 温泉街南には、湯ノ湖が静かに濃い緑の水を湛えている。湯ノ湖は三岳の噴火によって出来た堰止湖。今年の4月から7月の降水量が例年の1.4倍で、地表の栄養分が流れ込み植物プランクトンが大発生した。湖周囲長が2.8kmで、遊歩道が整備されている。腹減らしには格好の散歩道である。 湯ノ湖の南端にある湯滝から流れ出る川を湯川という。湯づくしの名称が並ぶ。湯ノ湖ではマス釣りの人達を見かけた。このエリアの漁業権は、他の川とは異なっている。遊魚に関する試験・研究のためのフィールドと定義されている。おのずと制約が多い釣り場なのだろう。 湯川(ゆがわ)は、戦場ケ原、竜頭の滝と流れ中禅寺湖に注ぐ。更に、華厳の滝、大谷川(だいやがわ)・地獄川を経て鬼怒川に合流する。このため湯川は、利根川水系の支川・一級河川で、国が管理する川。従って湯ノ湖は、利根川水系の数ある源流の一つとも言える。 写真-1 湯ノ湖の静かな朝。湖面に男体山が映る。釣りびとは、既に出勤していた。写真-2 湯元温泉側の湖畔と外山(EL.2,204m)を見る。写真-3 湯滝側から湯ノ湖を眺める。湖面に浸かり「研究用釣り」をしている人達。 写真-4 兎島より湯元温泉を望む。盆栽のような岩が湖面に浮いている。