2010/04/30(金)10:21
ヘルシンキ ビックマックとヘルシンキ美女と無料トイレと
僕は不安と期待、そしてまだ実感がまったくわかない自分とともに
KLMオランダ航空の機内の中にいた。
もうすでにそこは外国だった。
「ジャパニーズとウェスタンどっちらがよろしいでしょうか?」
長身の青い目のスチュワーデスがきれいな英語で聞いた
「ジャパニーズでお願いします」おどおどした17歳の少年が答えた。
ジャパニーズは寿司が入っていたが、あとはビーフだった。
ふと不安が脳裏に浮かぶ、あれ?ユーレイルパスを家に忘れてきたかもしれない
うわーー、不安でそのことしか頭に浮かばない
飛行機から降り預けた荷物からユーレイルパスが出てきた時は、その場で叫びたくなるくらい嬉しかった。
アムステルダムを経由した飛行機は無事フィンランドの首都ヘルシンキに着いた。
空港からホテルまで行く途中日本に何回かきたことがある
フィンランド人の人と少し話、フィンランド人はいい人だなーという印象を得る。
ヘルシンキに着いたのは夜だったので、ここではユースホステルではなく
空港近くのホテルを日本から予約しておいてそこに泊まった。
ただ、着いた早々カードキーの使い方がわからなく、部屋にのぼっては
やっぱりダメだとフロントに降り聞きを5回も繰り返した。
こうしてヨーロッパ初上陸の夜はあけた。
(この時この土地に7年後に友達を訪ねて再び訪れるとは夢にも思わずに)
ヘルシンキの街は大きかった、青空がどこまでも広がり、北欧の短い夏を
人々は待ちわびていたかのように人であふれていた。
公園でひなたぼっこをする人々、日差しが気持ち良い、
その日の夜行でスウェーデン国境まで一気に行こうと思っていた僕はチケットを
難なく買い、町をぶらついた。
北欧の街の物価はユーロになる前にもかかわらず、昨晩カードキーで開閉するホテルを出た若者を一気に貧乏旅行入門編へと導いた。
しかたなく、「こういう物価が高い国でも変わらないものがあるだろう、そう世界基準のマックだ!」 と最後の望みにかけたわけだが、簡単にその望みは打ち砕かれた。
「ビックマックセット1200円です」えーーーー!!!
これで何とか二食分ぐらい持たないかと無駄にケチャップとマスタードを大量にのせた
ビックマックを食べ、文字通り無駄な抵抗をしたものだ。
この時ばかりは17歳の新陳代謝の良さを恨んだ。
町歩き、駅前でフィンランド美女見学、無料トイレ探しの旅、飲み水確保ドタバタ劇に
飽きたころ夜行の出発時間がきてヘルシンキを後にした。
この旅最初の街、そして今までの自分を後に変えていくきっかけになる出来事へと
進む、夜行列車で眠るこの時の僕にはまだ知る由もなかった。