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カテゴリ:カリブ海
さらにジャングルの奥地へと未知なる出会いに胸を躍らせながら突き進む。
なかなかこれが休憩なしに歩く歩くがいろいろな出会いがそこらかしこにあるので退屈しないし、不思議と疲れない。 あ!と母が急にしゃがみこみ何か小さな物を撮りはじめる。 じっと見るとただのアリだが、葉っぱの切れ端のようなものを一生懸命運んでいる。 しかも少ししかいないと思ったら瞬く間にワラワラと増えてきて行く手を遮るほどの川のような大群になっていく。 僕は微妙だなーと思ったが、ハキリアリはディスカバリーやナショナルジオグラフィックチャンネルで何度も取り上げられているらしく世界中で有名で、他のアメリカ人や、カナダ人やドイツ人のメンバーはどこどこ?と必死に探し写真を撮っていた。 ここにいる生物のほとんどが珍しいものなので、だんだん感覚が麻痺して何が珍しいかわからなくなってきて、多くの貴重な生物を撮らずに通り過ぎてしまった。 珍しいというのは結局はその人それぞれの主観であってその人にとって珍しくなければ珍しいとは言えないと思う。 ただ、一般的に珍しいというのはあって何が一般的なのかはよくわからないが、数が少ないとか貴重とかそういうのはあってその一つにやはり人間は集団や社会に左右する生物なので、ガイドがこれ珍しいんですよと言うと、おーー珍しいんだとなり、 今までただのアリとしか思わないものでも珍しくまたありがたく思えてくる。 ふと、あまり話さなく無骨な感じで表情も薄いドイツ人の旦那か彼氏の方が、あ!!と声をあげ一同がその方向に注目するとなかなかカラフルな蛇だった。 ガイドがどんな蛇か説明して、どうやら毒はないらしいが、ガイド曰くけっこう珍しいらしく、しきりに今日何で俺はカメラを持ってきていないのか!こんな時に限ってと嘆いた。 みんな珍しいというのを聞いていったん通り過ぎたが戻ってきて、長い間 写真を撮っていた。 うちの母は動画まで撮っていたが蛇の動画を撮ってどうするんだろう?と蛇は蛇的な動きしかしないし、あまり面白味がないだろうにと僕は思った。 珍しいマジックにみんな踊らされていた。 どんどん奥の方に行くにつれて、鋭く森中を響き轟くあの独特の声が大きくなってきた。 ガイドが鳴き真似をしながら進んで行く。 周りの音やわずかな動きに集中しながら歩く、枝のかすかな揺れ、どうやらやっと出会えたようだ。 ガイドがスコープをかまえ一人一人見せてくれる。 そうこのジャングル一大きな声の持ち主。 その名もホエザル。 何かホエザルという名前からか怖いイメージを持っていたが、なかなかチャーミングなクリクリした目の持ち主。 その独特の大きな声とのギャップもありこれを見るとみんな自然と笑顔になった。 4時間ぶっつづけで歩き12時近くになったので、ジャングルを抜けた海岸沿いでランチにしようということになる。 ジャングルを抜け出し水辺に着いたその瞬間奇妙な風景が目の前に見えた。 え?えーーー?? 何と白人の若者のすぐ近くに巨大なワニという光景。 しかもその若者がほふく前進をしながらワニにどんどん近づく、何かのショウかと一瞬思ったがここは自然の真っ只中そんなはずはない。 大惨事になるかと一瞬頭をよぎったが、ワニもそんなバカじゃなくすんなりと逃げる。 ワニの写真を撮りたかった僕らは、あーあと落胆し、アメリカ人のおじさんは このバカ者が!!と怒りをあらわにする。 一同バカな若者を横目で睨みつつ、適当な倒木に腰かけランチタイム。 さすがにお腹がすいたし、疲れた。 必死にサンドイッチを食べていると、こんなところも野生の王国、ヒチコックのホラー映画のように、気持ち悪いくらい大量のヤドカリが現れ、パンのくずに群がる。 その数半端ではなく一面ヤドカリの絨毯、脚の踏み場のないほど。 もううわーーーーって感じである。 その光景にも慣れっこなのかガイドはさっさとランチを食べ終え。 おもむろに海の方にスコープをかまえる。 またワニか?さっき見たからいいのにーと思っていると。 やっぱりいたぞ。 シャークだ、ブルシャークだ!!と ブルシャークってあの巨体とブルドックのようなちょっと怖い顔をした わりと凶暴なサメのブルシャークがこんなところに! しかも水深はかなり浅く、人間の背も立つのではないかと思うくらい。 肉眼でもその不気味なヒレを確認でき、しかも2匹並んで行ったり来たり何かを狙っている。 絶対にこの海では泳ぎたくない、入った瞬間脚や腕が一本なくなり そのまま慌ててビーチに戻ってくる恐怖映像が目に浮かぶ。 サメのランチにならなくて良かったと思いながら、一行は再びジャングルに入って行く。 ジャングルに入っていく時に今までと違い僕らはガイドのすぐ真後ろを歩いていた。 そう、人間の気配がすっかりなくなり、前にも後ろにも他のグループが通った感じがしばらくなかったので、こういう時が一番何かが現れる確率が高いと思い、僕は 素早くガイドの後ろ、一番動物が見られる先頭に立ったのである。 予想は的中し、素晴らしい今度こそ本当に珍しいものが目の前に現れ。 人間に気づいた瞬間逃げていってしまった。 が僕らは数秒見ることができ 後ろの人達はまったく見ることができなかった。 タイラーというイタチの仲間らしく、ガイドも数十年以上ガイドをやっているがこんなに近くで見たのは初めてだ!とかなり興奮していた。 君達素晴らしくラッキーな人達だ! ラッキーだよを連発しガイドは興奮気味に 進んで行く。あれ見たよね?写真撮った?すごいよねー?とガイドが一番興奮して喜んでいる。 この後もラッキーのオンパレード。 何か物音を聞きつけガイドが茂みの中に分け入り、スコープでとらえたものはハナグマだった。 動いてしまい全体は見れないがなかなか可愛らしいその姿。 調子に乗ったガイドは今度はトゥーカンを見せてやる!と意気込む トゥーカンは僕らが見たい動物リストの上位にあり、そのほとんどを見てしまった今は 一番見たいものである。 簡単に言うとまさにあのお菓子のチョコボールの鳥である。 しかし、自然はそんなに甘くなく、必死にガイド探し続け、すれ違った別のガイドにも聞くが、いないの一言。 スタート地点に戻る時間がせまってきている。 トゥーカンだけは見れなかったね、またコスタリカに来た時の宿題にしようと思っていると、いたぞ!と遥か高い木の上をガイドは指す。 素早くスコープを用意し、早く見ろ!と真剣に言う。 いた!!ついにいた!!トゥーカン!!美しい、何だあの色遣いと感激していると 横で母がおー本当にチョコボールだね!と感激している。おいおいそこか スタート地点に戻り、朝来たように船に乗り込みコルコバード国立公園の旅は終了した。 5時間以上歩き続けたがあっという間だった。 帰り道のボートでまたイルカと出会い、良かった本当に面白かったこのコスタリカのメインイベントは終わってしまった。 部屋に戻り母はさすがに疲れベットに横になってしまったが、興奮醒めやらない僕は外に飛び出し、このドラケ湾の散策に出る。 往復2時間以上は歩いただろうか、行きかう人々と挨拶をかわし時に話しかけられるも理解できなく適当にごまかしながら散策を楽しんだ。 ふと人気のないビーチに迷い込み辺りは夕暮れに沈みはじめた。 いいねー、今日は一日中歩きっぱなしで適度に疲労した体のだるさと 今日の数々の思い出が重なり、実際にそうなのだが わけがわからない遠いところに来た、ここは東京と同じ地球かな? いや違うんじゃないかなという不思議な感覚におそわれる。 自分が住むところとは遥かに離れた世界にどっぷり浸かる喜び それを人々は非日常と呼ぶが、現実と非日常の間には何があるのか? どういう違いがあるのか? それが現実ですと決めているのは自分たちで、その自分達が決めた社会で 僕はこの時非日常と言われている世界に居続けて何が悪いのかと思い。 非日常と言われる世界で生き続けていこう、生き続けられるためには何をすれば良いかを考え続けた。 そう今までのように僕の旅は終わらない。 僕の人生は常に旅の途上にあるようなもの自分の選んだ道に向かって自分を信じ進み続ける。それが時に茨の道だとしても自分の選んだ道を歩み続ける。 いつかその茨は消えていき、また茨にも慣れていくから 将来のありもしない出来事やまだ起こっていない病気などを怖がっているなら今というこの時を120パーセント楽しみ精一杯生きる方がよっぽど確実だと思う。 この日本から遠い遠い所の夕陽を見ながら僕はまた勇気をもらった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012.03.11 10:38:30
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