水中への旅路と妄想世界
旅に出て何を求めているかというと僕の場合結局は人だと思う。旅はほんの一瞬その土地を風のように通り過ぎる行為だがそのホンノ一瞬の間に欲張りなことに何かをその場所から得たい、かくなる上は残せたらいいなーとか思ってしまう。特に子供達との触れ合いはその土地の未来へとつながる気がして本当に勝手に帰国してからも写真などみながら、あの子たちは今どうしているか?や、その場所はどうなっているかなど考えていたりする(大きなお世話なのだが)水中の世界においても同じようなことがいえるわけだがその関係はもっと一方的であり、僕らは魚ではないのでつまるところ何を考えているのか、むしろ考えるという行動自体行なっているかさえもわからない。まあそこにある種の潔いクールさもあり、こっちはこっちで勝手に想像するもんねーといちよう断りをいれながらも妄想の世界へと浸る。カメは何度か見てふと目つきの悪いウルトラマンではないかと勝手に思った。人間のように水中で息ができないので、水面に息を吸うために上がるときなどはまさにシュワッチ!とM78星雲に帰る時みたい、しかもタイムリミットまである。そういえば魚たちもウルトラマンに出てくる怪獣達にも似ていないか!?など勝手に妄想を膨らませている。彼等は完全に穴の中に隠れていれば良いのに何故にこう面白い具合に穴から顔をのぞかせるのだろうか?あの何かを求めているような唇といい、あのヤンチャしたいけど実は臆病者な感じのツンツン立った髪型といい、クリクリしたうるんだ瞳といい彼が寂しがり屋だからだ! そうに違いない本当は出てきて一緒に遊びたいんだね、友達になりたいんだね!?「フゥーーー、今日も疲れた、毎日毎日帰りが遅いと嫌になっちゃうよな」「俺の体の迷路模様のように最近人生に悩んじゃってさ」大洋を自由自在に泳ぎまわるのが俺の夢だったのに、こんな小さな湾のような世界に閉じこもって、会う魚、見る景色、水の流れまでだいたい一緒だからなよし!決めた、俺は大洋に出るぞ、たった一度の人生だから湾はべつに大洋と隔たりがあるわけじゃなくて、そのままつながっているはずなのに、そこに見えない壁を作っているのは自分なんだ一生懸命泳いで行けばいいんだ。彼女はいつも不機嫌深めの水深でしか会うことができず、会えたとしてもすぐに姿を消してしまう。しかし、その姿は、一際目立つ体の真ん中にある蛍光色に輝く発光体は遠くからも嫌がうえにも彼女の存在を認識できる。その姿は見るものをハットさせる美しさを秘めている。さめて一度でいいから彼女に触れてみたい。その思いとは裏腹に一度近づくと彼女は僕らが踏み入れることさえままならない深場へとヒラリと身を翻し行ってしまう。いつになったら彼女に近づくことができるのか?僕にはまだ見果てぬ夢なのか?海の中にある星空はまた趣があり美しくここの世界が(海の中)地上より下にあるのか上にあるのかさえ今の僕にはわからなくなる。彼女の名前はシモフリタナバタウオヒコボシとオリヒメは再び出会うことはできなのか?目は前についているのか、後ろについているのか今の僕にはそれすらわからないまた再び、海の中に輝く星空を見つけてしまった。体は小さいが一つ一つの星々の輝きは強く真昼間のプラネタリウムのように心を和ましてくれる。夜の闇に輝く満点の星空を眺めたのはいつのことだったか?このように旅に出、まったく違った海の世界へ行ったとしても人間は今までの自分達の日常をそこにみる今までの延長線上が今につながり、未来へとつながっていく。だとすると今この瞬間は一番大切なものであり、確実に次へとつながっていくこと。いつやるか? 今でしょ!??