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人の悪口ばかり言っていると体調不良になる!!

不和と病気安岡正篤　先生1血管の収縮や、2酸素消費、3尿の生成なども、外界の音響や、言葉や情況などによって著しく左右されることが判明しています。精神と肉体との間には、非物質的な相互作用が行われており、その肉体に対する情緒の反応を物質化して証明することもできます。汗と呼吸がそれをよく表します。ワシントンの心理学者エルマー・ゲイツは発汗の科学的分析から情緒の表を作ることに成功しています。各精神状態はそれぞれ腺や内蔵の活動に化学的変化を生じ、これによって造り出された異物を、呼吸や発汗によって体外に排出します。液体空気（壓力をゆるめて蒸発させると零下217度まで下がる）で冷却したガラス管の中に息を吐きこむと、息の中の揮発性物質が液化して無色に近いのですが、その人が怒っていると、数分後に管の中に栗色のかすが残ります。苦痛や悲哀のときは灰色後悔のときは淡紅色となります。この栗色の物質をネズミに注射するとたちまち興奮し、その人の憎悪や憤怒の激しいときは、その息のかすは数分でネズミを殺してしまうそうです。1時間の怒りの息のかすは80人を殺すに足る毒素を出し、この毒素は従来の科学の知る最強の猛毒だそうです。ゆえに悪感情を抱くことは、結局その人の体内に毒気が鬱積して、その人を自殺に導くものであるわけです。　人間の長い歴史的経験から生まれた言葉の中には、新しい科学的研究が感を深くするような真理の含まっているものが多いのです。「毒気を吐く」とか、「彼奴の毒気にあてられた」というようなことは、そのまま真実なのです。和気というものも科学的真実で、人を憎み怒って、明けても暮れても闘争に血道をあげるような場合は、まさに毒気が充満します。これに反して、人々相愛し、相和して睦むようなところには和気が溢れる。これは誤りのない事実です。

安岡正篤先生

　安岡先生の学問は、陽明学に止まらず、朱子学、老荘、易学、仏教、神道などの東洋思想と政治哲学、人物研究、更に西洋思想にも通じ、その学問は洋の東西を問わず、広く、深く及んでいました。そしてその学問の目的とするところは、「人間いかに生くべきか」「リーダーはいかにあるべきか」を追究する生きた学問であり、古今東西の偉人哲人の教えや生き様、古典を現代に活かす「活学」が目的でした。安岡先生のこの学問姿勢は終生変わることはありませんでした。安岡先生は、昭和58年12月13日に逝去されました。享年86歳。　「平成」という元号が安岡先生の考案であることが、後に竹下元首相によって示唆されました。政財界リーダーの啓発・教化、あるいは広く国民各層に影響を及ぼした安岡先生の人間学は、現在でも多くの人々の精神的支柱となり、著作などを通じて私淑する門下生が増えつつあります。　これからの安岡教学現代人を覚醒させる安岡正篤先生の教えは、万世に通ずる人類至宝の人間学です。　しかし安岡先生を偲んで追懐の念に耽り、あるいはただ単なる知識としての机上の学問に止まるのみでは、安岡先生の本来、求めて止まなかった『活学精神』を、無にすることとなります。　安岡教学研究会は、「人間いかに生くべきか」「リーダーはいかにあるべきか」という人生最大の命題に対して、具体的・実際的解決法を残された安岡正篤先生の教学をもとに、これを基調としながらも、しかし一流一派に拘泥することなく、古今東西の人物・歴史・教えに触れ、それぞれその要をとり、長を活かして、仕事・家庭・教育・政治・経済、そして個々の人生に、有意に活かすことを目的に発足されています。安岡正篤からの伝言 ■「六中観（りくちゅうかん）」　　　　　　　　　　忙　中　閑　あ　り　（忙中につかんだ閑こそ本当の閑である）　　苦　中　楽　あ　り　（苦味の中の甘味こそ真の甘味である）　　死　中　活　あ　り　（身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ）　　壷　中　天　あ　り　（奥床しき別天地）　　意　中　人　あ　り　（何ごとによらず人材の用意がある）　　腹　中　書　あ　り　（腹中に哲学、信念がある。万巻の書がある）　　　　　　　　　　★★★★★★★★★★★★◇東洋思想の名言というのは、とてもシンプルで、奥行きが深いため、読む人の経験や読書量、思索や流した涙の量によって、深くも浅くもなります。　●忙中有閑● 　この「六中観」は安岡先生の『百朝集』という本に載っています。　この『百朝集』が出来上がるのにはあるイワクがあります。　終戦直前の爆撃が激しくなった頃、安岡先生が日本の指導者を育成するために設立した金鶏学院において、騒然としている状況を沈めるために、毎朝、皆を集めて先哲の片言隻句を紹介して解説しました。そんな日が百日つづいて終戦。筆録したものがちょうど百朝になるので、それをまとめたものが『百朝集』です。　こうした切羽詰まった状況下での講義録なので、言葉にも力があります。　（因に安岡先生は終戦の詔勅にも筆をいれられたことで有名ですが、ちょうどこのころの話です）　後に安岡先生は次のようなコメントを残されています。　　「ただの閑は退屈して精神が散じてしまう。忙中に掴んだ閑こそ本当の閑でありまして、激しい空襲の中でも10分、20分の短い閑に悠々と一座禅、一提唱できましたが、こういうのが忙中の閑であります。」　企業経営にしても、この世知辛い競争の社会において、朝の一時、社員一丸となって忙中の閑を得ることで空気が蘇ります。「祈りの経営」で有名な某企業は、朝夕かかさず、定時になると全社員がおつとめで「般若心経」を唱えます。これも忙中の閑といえます。　●死中有活●　安岡教学の神髄に「人物学」というものがあります。その人物の条件として、　　１、「元気、気魄」が旺盛であること　　２、「志」を持っていること　　３、その志をいつも持ちつづける「節操」があること　　４、志にそっていかになすべきか、こうあるべきだという「見識」、があること　　５、その見識にしたがって物に動かない、つまり誘惑や脅威に動かない。錬磨された見識、すなわち「胆識」があること　人物となるためには、よほどの元気と志、そしてあらゆる経験をなめ尽くすほどの勇気が必要ということです。人物となるためには、ぜひとも次の３つを経験しなければならないと、いつか本で読んだことがあります。　　１、浪人生活　（羽振りのよかったときには近寄って来た人間も、　　　　　　　　　　落ちぶれるとともに誰も近寄らなくなる）　　２、闘病生活　（死との対面は誰にも頼ることができない）　　３、牢獄生活　（社会的な接点を全て奪われ、断ち切られたとき、　　　　　　　　　　真の自己と向かい合うことになる）　偉人の自伝を読んでみると、確かにこうした一見ありがたくない境遇の中で人物が練られ、時勢を救う力ともなっているのであります。　私の中で最も強烈に人生の闇と光の交錯の中を生き抜いた人に、　西郷隆盛（南洲）があります。　僧月照との入水自殺未遂、島流し、反政府運動・・「死中活あり」とはまさにこのことをいうのでしょうか。　「死中有活」死してこそ浮かぶ瀬もあれ。『葉隠』に「武士道とは死ぬことと見つけたり」という言葉があります。日本にも「武士道」というすばらしい精神がありました。　これはよほど深い宗教心がなければ体得できない境地のようです。　今や如何！　　●苦中有楽● 　これについては「プラス思考」とい言い換えたほうが、理解しやすいかもしれません。　苦楽をつくり出しているのは「心」に外なりません。切羽詰まった状況下においては、「現実をどうするか」ということよりも、「わが心をいかにするか」ということが大問題です。現実はわが心の繁栄にすぎません。　心に描いた映像はフィルムに焼きつけられて、数日後か、数カ月後か、数年後か、もしくはもっと先に、現実として写し出されるように出来ています。これがこの現世のしくみです。安岡教学研究会より

家庭の不和と子女

家庭の不和と子女安岡正篤先生世界的問題である少年の非行犯罪も、五、六歳頃、すなわち学校に上がる前に十分その徴候が察知されるものであり、したがって家庭教育・環境指導よろしきを得れば、ほとんどこれを救い得るものであることは、たとえば斯道の大家ハーバード大学のグリュック教授や、シカゴ大学のバージェス教授をはじめ、犯罪予測学者の十分解明していることである。これにも家庭の不満・両親の不和が大きな原因をなしております。　ギャラップが結婚生活の実態調査を発表した。それによると、妻の方で夫に対する最も多い不満は、1、親切心が足りない　2、威張る　 3、怠ける　4、酒がすぎる　5、家を空けすぎる等であるが、夫の方も妻に対して、•1、口やかましい（怒りっぽい）　2、むだづかいがすぎる　3、外出したがる　4、おしゃべり　5、家事に身が入らぬとして、多く結婚の幻滅を訴えている。　夫婦の不和ばかりではない。家庭内における日常の会話からして、知らない間に子女に及ぼす影響は容易ならぬものがある。　ペンシルヴァニア大学のＪ・ボサード教授は家庭生活研究の著名人であるが、家庭によって、常に行われる談話にそれぞれ型があることを明らかにして、喧嘩型や、自己宣伝型など色々あるが、最も多いのは批判型であるとして、友人・知己・親戚の噂話から、社会問題まで、何によらず、けちをつけて喜ぶ型を指摘しています。よくある事実です。これは非常に子女の徳性を傷つけて、社会不和の根底を植えつけるようなものである。人には、"うそをつかない"、"お天道様がみているので恥ずかしいことをしない"などの、道徳というより人間として最低限のことをまずできるようにすること、言い換えれば、"忠恕"で代表される"日本人の良心・美徳" をＤＮＡから覚醒させることがまず、肝要かと思います。１）朝、顔を合わせたら、"おはようございます"と挨拶する。２）履き物は、きちんと揃える。３）ゴミは、護美箱に捨てる。見つけたゴミは、できうるならば片ずける。４）お互い様の精神で、自分でできることから実行する。等の躾、習慣をつけること、人として如何にあるべきかの基本をまず身につけそして併せて技能取得を推進することが、大所高所からの善導ではと思います。 "how to be good"を国家百年の計と考えて合わせて取り組むことは必要だと考えます。　いずれにしても修己治人、身近なところから一燈照隅行を実践し、自分を変えていきましょう。　そうすると自（おのず）ら社会が変わっていきます。

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