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優香.

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2019年08月20日
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カテゴリ:法律関連
✱︎法律はそこそこですがオタク文化はど素人です。純粋な学術的興味に基づき書いています。なお、私の記事では「二次創作」を、「既存の著作物(原著作物)に依拠し、原著作物の要素を利用して、原著作物の著作者(原著作者)またはそれに準ずる者の(許可を得ず 、)監視監督も受けないまま、新たに創作された著作物」と定義します。二次的著作物とは違う概念なので注意(知財法学者の論文では、しばしば混同されています。学者さんは、ベテランを中心に両概念を同じものだと誤解している人が多い印象)。二次創作の一部は二次的著作物ですが、漫画原作のアニメなど、二次創作ではない二次的著作物もあります。

「二次創作は違法」

「二次創作 著作権」で検索するとこのような内容の記事をすごくよく見るのですが、信じられているものでしょうか?判例(法律家にとって法律と同じくらい大切なもの)・多数派の学説を前提にする限り、「違法なものも適法なものもある」が正しいです。あくまで法的には、ですが。

なので、「グレー」というのは、適法なものも違法なものもある、という意味で正しいです。(島並先生の「二次創作と創作性」、前田先生の「二次創作と類似性」、西口先生の「二次創作と著作権侵害
」等参照。)


著作権法上「表現は保護されるがアイディアは保護されない」とされています。例えば、人名、キャラの内面、設定、ありふれたor短い表現は「アイディア」であり保護されないとするのが判例ないし学説です。逆に、キャラのビジュアルや台詞そのもの・文章そのもの等は、基本的には「表現」として保護されます。
追記: 「キャラのビジュアル」と「キャラのビジュアルの特徴」の違いとして、https://www.saegusa-pat.co.jp/copyrighthanrei/1964/
が参考になるかと思います(この事務所のHPはわかりやすくお気に入り)。ふわっというと、「どっからどう見ても明らかに漫画の(アニメでもイラストでもいいですが)〇〇をトレスした(またはトレスしたくらいそっくり)だよね」程度が「キャラのビジュアル」の守備範囲です(サザエさん事件など参照)。この辺りを見ると、多くの二次創作イラスト・漫画等は、著作権侵害といえなさそうだと思います。

表現とアイディアの区別は、著作権法を専門とする方々に聞くと、「それが作者が生きている間+死後70年間使えなくなって困るかどうか」で判断するそうです。

例えば「名前」を保護したとすると、その人が生きている間+70年間、その人に依拠して同じ名前は使えないことになります(例えば、好きな有名人と同じ名前を子供につけることがアウトになります。たぶん。)。寿命を80歳とすると、大体、江戸時代末期〜令和初期まで同姓同名が使えないということになります。とても困ります^^;
例えば「キャラの内面」を保護したとすると、1人「ツンデレ」キャラがいたらそれを知っている人は少なくとも70年間他の「ツンデレ」キャラを作れなくなります。また、人間が考えられる「キャラ」の種類も組み合わせもある程度限られているので、「元気系主人公、クール系準主人公、穏やか系第三勢力」といった組み合わせ等が保護されるのも困ります。
逆に、「キャラのビジュアル」は保護しても困らないとされています…が、個人的には「本当に?」と思っています。判例上、「そのキャラであることがわかればOK」となるのですが、それだとそのキャラの「有名・無名」で保護範囲が変わったり、「王道な組み合わせ」が使えなくなったりして困るのでは無いかと思います。著作権は本来、全ての作品を平等に保護するものだと考えているので、そこに経済的要素や作品の出来栄えのようなものを入れるのは違和感があります。

では、「名前とキャラの内面の組み合わせ」はどうでしょう?アイディアですか?表現ですか?

この区別について、「小説の続編は著作権侵害か」という論点等で学説が対立している状況です。(私の知る限りそれはOKとする人の方が多い印象です。10年以上前の出題では、司法試験委員会もOK派っぽい出題趣旨でした。)

この点につき、「ライ麦畑で捕まえて」という小説続編の出版差し止めが問題となった事件がアメリカで起きたのですが、この論点自体ではなく文章のコピーで差し止められているのであまり参考になりませんでした^^;

日本で「二次創作」(シナリオを漫画にしたもの等。厳密には、いわゆる「二次創作」というより、デスノート・バクマンに代表される、シナリオ担当者と絵担当者の合作に近い事案。キャンディキャンディ事件)の法律関係が争われた事件は「絵」や「漫画」について起きているので、例えば「漫画キャラクターを使って書いた小説」について何か事件が起きた時、どうなるかはわかりません。

名前もキャラの内面も保護されないのにその組み合わせを保護するのはおかしい、という考えも成り立つと思います。逆に、名前とキャラの内面ならば保護しても困らない、と考える余地もあると思います。

ただ、後者の考えを取ると「ある状態では著作権侵害だったものが名前(や口調?)を変えただけで著作権侵害ではなくなる」という「Word置換機能1つで著作権侵害か否かが変わる」事態が起きます。とても不思議…というか、ちょっと意味不明です。なので、個人的には前者の考えが妥当ではないかなと思います。

そもそも、小説(個人的には漫画も)の真髄はそのキャラクターの名前と性格の組み合わせではなく、「どういうストーリーをどう表現するのか」にあるのだと思います。そして、キャラの内面や性格・キャラ同士の関係性等はその「ストーリー」を書くための手段に過ぎないのでは…と思います。だとすると、そこを著作権で保護するのは妥当ではないと考えます。(※同人小説等はキャラが好きで書くものらしいので、そういう方的には「?」な考えかもしれません。)

同人小説は何を借りているのでしょうか?

私はその辺りをよく知らないのですが、聞くところによると原作やキャラ(の組み合わせ)等で探すらしいです。だとすると、たぶん、作者と読者の間にある「前提」のようなもの・作品知名度ではないかと思います。そしてそれらは著作権法の守備範囲外で、民法(不当利得、不法行為等)や不正競争防止法の守備範囲だと思われます。民法は適法/違法の世界ではない。不正競争防止法は知りませんが、「〜した相手からお金取れるよ」的な書き方なので、適法/違法の話ではない気がします。

つまり、二次創作には黙認されているものとそもそも権利侵害でないものがあるということです。

だとすると、同人小説は基本的に白だが判例がないのでわからない、程度なのに二次創作界隈?では小説と絵/漫画でルールが変わらなさそうなので何でなのか気になってきます。変わるのかな?どうなんでしょう。詳しい方いたら教えてください!

追記〜次の記事と関連します。

何かの作品に出てくるキャラクターを使って漫画や小説を書く場合、その作品から「このキャラはこう動くだろう」と想像(解釈)してストーリー等に落とし込むのだと思います。その想像はあくまでその人がしたもので原作者のものとは言えない。そして、その行為は読書感想文を書くのと同じ(読む→解釈(※場合により引用を含む)→表現)くらい原作から遠いことだと考えます。
もし、あなたが書いた読書感想文について題材にした本の作者が「その感想文は私とあなたのものだ!」と言ったら変ですよね?同じように、誰かが何かの作品を元に何かを作ったとしても、それに原作者が権利行使するのは変だと私は思います。
ビジュアルについては残念ながら判例があるのですが、やはり、少なくともキャラクターのビジュアル以外の部分について権利行使を認めるのは無理だと考えています。

追記2〜漫画
ポパイネクタイ事件は、漫画の続編の漫画を作ってキャラのビジュアルに著作権侵害を認めた事例です。漫画の本質をストーリーとキャラの動き・表情等とするとおかしな判例だし、ストーリーとキャラビジュアルそのものとすると合っているかな。
とはいえ、この事件で問題となった漫画はアメリカの4コマ漫画的なものなので、日本の漫画ほどビジュアル的に凝っていません。コボちゃんレベルの絵です。もしかしたら、日本の漫画(絵柄や表情/動き/コマ割り等に作者の個性が出る)の続編を描いたら違う話になるかもしれないと注目しています。判例はもちろん、同人系で事件になったのは絵柄が似ている漫画が主なので…!





というか、すごく野暮なそもそも論を言うならば、「二次創作は全て違法」という議論は、二次創作を定義しなければ客観的な検証が出来ないので、法学的な価値がない。よって、二次創作を定義せずに二次創作は違法だとする多くのHPの主張は、何というか、書き手の認識・感想でしかなく理論として成立していない。必要性も許容性も他者の権利とのバランスも考えられていないので、結論に対する根拠がない。少なくとも違「法」か否かという議論においては、無意味です。議論の土俵に立てていない。
もし、二次創作は全て違法だと、未だ主張したい方がいるのであれば、例えば「有名漫画のキャラクターを使用した、原作ストーリーとは一切関係のない小説」において、人名とキャラクターの性格設定等に著作物性を認める許容性をむしろ教えてください。私の知る範囲ですら、キャラクターの「日向」さんって3つくらいの漫画にいるし、鬼○の刃のキャラクターには一般名詞が名前の人いるし、これ著作物ってするのキツくないですか?鬼○の刃のラスボスさんの名前が独特に感じられるのって、それが本来人名に使われないからなので、名前自体にはオリジナリティがない=創作性がない=著作物ではない、ですよ。フルネーム限定にしても、じゃあ、どこかの日向さんがキャラクターに憧れて子供にキャラクターの名前つけたら著作権侵害かよふざけんなです。キャラクターの性格設定等も、これを表現と読んで良いのか、これを保護して良いのか、これを侵害できるのか、考えてください。私は、キャラクターの性格設定等は、例えば原作内の描写から読み手が読み取って、自分の中で構築する物だと考えています。そのため、そもそも原作内で(直接)表現されていないし、侵害も不可能だと考えています。あと、すごいテンプレだけれど、腹黒関西弁キャラとかおネェキャラとか、大体別作品のそんな感じのキャラ被ってるじゃないか。大なり小なり依拠性認めるのありそうだし、それ禁止って辛くね?

不正競争防止法は対象が「事業者間」なので、一般的には適用不可。よって全ての二次創作は違法という論理の根拠に使えない。
商標法は商標を使うのが前提だから、商標を使っていない殆どの二次創作には適用不可。よって全ての二次創作は違法という論理の根拠に使えない。
民法は、不法行為にしろ損害賠償にしろ、殆どの二次創作の場合、原作の売り上げやイメージに影響を出すことは考えづらいし、因果関係の立証もほぼ不可能なので基本成立しなさそう。よって全ての二次創作は違法という論理の根拠に使えない。
あとは何…強いて言えば営業の自由とか??ファンの表現の自由との兼ね合いで勝ち目ないですけど。

まぁ、そんなこんなで、二次創作を全て違法とする理屈は、今のところ私の頭では捻り出せていません。無理。(なお、これに類似する設問は、平成19年の司法試験に出ており、出題趣旨・採点実感上は、当然著作権侵害は否定の方向です。)






Last updated  2020年07月16日 22時33分30秒
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