2010/04/27(火)01:32
政策の変化は不可抗力と考えます
ここ数日、中国の不動産に関する新政策の
発表があったことを書きましたが、
「中国は国民に大きな影響を与える政策を
突然発表してすぐ実行してしまうなんて、
国民のことを全然考えてないみたい」
とか、
「もろ政策の影響を受けた人は、政府に抗議しないんですか」
とか思った人も少なくないのではないでしょうか。
でも中国人はどうも、国の政策というのは
天災地災と同じく、不可抗力のものと
考えるようです。
数日前の新聞には、
「不動産の新政策発表後、契約をキャンセルしようという人が続出、
彼らは政策の変化は不可抗力に当たるから、
違約金は発生しないと考えているようだ」
という記事が載っていました。
実際に違約金が発生するのかどうかはさておき、
「政策の変化は不可抗力」というその考え方が
つばめにはとても新鮮で、印象に残りました。
なるほど~、干ばつや大雨、地震などが起こっても、
空や地面に怒りをぶつける人がいないのと同じように、
中国では政策が急に変更になっても、
政府に怒りをぶつけるという考えには至らないわけですね。
それよりも災害!?の被害をどう最小限に食い止めるか、
というのが一般中国人の目下一番の関心事。
怒ってる暇があったら、うまい抜け道がないか
考えるほうがよっぽど役に立つ。
現実的な中国人はそう考えるようです。
天に怒りを向けても無駄なのです。
その辺のあきらめのよさが、
日本人のつばめから見ると
実に不思議なところです。
これが体制の違いということでしょうね。
つばめは夫に「中国は共産党の一党独裁でしょう?」
と聞いてみると、
「いや、違うよ、中国にもいろんな党があるんだ」
とは言ったけど、それは形だけであって
現実には一党独裁と変わりないことは夫も認めた。
「ねぇ~、急な新政策の発表で不利益を被った人たちは、
政府に怒りの抗議をしたりしないの?」
と聞くと、
「そんなことしても無駄。意味がない」
との返事。
「でもさぁ~、時々政府機関の前で
ストライキとかやってるらしいじゃん」
と再び水を向けると、
「そんなことをしたら、つかまって
ひどい目にあわされるに決まってるじゃないか。
だから普通はそんなことしないね」
との話。政府が何をしてもそれは不可抗力として
受け入れるしかなく、政府の意向に反対できない
一党独裁体制を不満に思わないのかと聞いてみると、
小さい頃からそういう教育を受けてきているから、
それを疑問に思う人は少ないとの返事でした。
思えば、ある意味中国は言論の自由がないかもしれないけど、
言論の自由が絶対にいいとは言い切れないのではないか。
ひとりひとりが自分勝手なことを自由に言って、
大きなことから小さなことまでまぜこぜ、
無茶苦茶になってしまうという可能性もある。
だから一概に中国のやり方が間違っているとは言えないだろう。
そういえば北京オリンピックの際、
政府がオリンピックを開くことに賛成した中国人は
ほぼ100%に近かったことを記憶している。
車のナンバープレート制限にも、オリンピックのためなら、
と多くの中国人は個人の不便にも文句を言うこともなかった。
日本だったらありえないですよね~。
中国国民は強力なトップのリーダーシップのもと、
団結しているともいえる。
政府に限らず、民間会社などでも、
中国はトップダウンの管理方式になっていることが
圧倒的に多い。トップの権限が強いのである。
トップの意向に下のものが従わないということは少なく、
トップが黒といえば、白のものも黒で通るようなところがある。
日本のように調整型のリーダーのもと、
みんなで話し合って物事を決めるということは
人口が多い中国の国情には合っていないのかもしれない。
トップダウン形式になじみきった中国国民にとって、
政策の変化は「不可抗力」以外の何物でもないのだろう。
(実際に法律的に通るかどうかは別にして、
一般中国人の実感としては「不可抗力」という意味)
「不可抗力」という言葉から
中国人の根底にある思考回路を垣間見て、
なるほどな~、と思うつばめなのでした。
↓週末、遺跡公園に花見に行きました。
チビちゃん、花よりも風になびく鳥のおもちゃに大興奮!