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ニーハオ中国

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2017/05/22
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カテゴリ:バイリンガル教育
「継承語」は、「(異言語環境で)親から受け継ぐ」という点に
着目したネーミングとなっていますが、
実際のところ、親の言葉の継承程度は様々であり、
ほとんど、または全く受け継がれない場合もあること、
また現在は親から受け継ぐことばといっても、
たとえば中国の現地小学校に通う子供の場合、
夏休み約2か月、冬休みの1か月の大半を
日本で過ごしたりする子供もおり、
子供が日本語を身に着けるルートは、
親からという1つのルートだけではなくなっている
という状況があることなどに鑑み、
「親から受け継いだ(ぐ)」という点に着目するよりも、
「その言葉と血のつながりがある」という点に着目し、
「ルーツ言語」というネーミングを提案しました。

ルーツ言語という言葉を広くとると、
日本人どうしの親から生まれ、
日本に生まれ暮らす子供にとっての日本語も、
親の言葉であり、血のつながりがあるので
ルーツ言語だといえなくもないですが、
普通、このような場合は「母語」等の言葉が用いられ、
「ルーツ言語」などとは呼ばれないと思われます。
ですので、私が考える「ルーツ言語」は、
「血のつながりのある言語」ということだけでなく、
「子供のメイン言語環境とは異なる」という条件を
入れた狭義の定義としています。
「メイン言語環境とは異なる」というからには、
メイン言語環境で使われている言葉と、
そうでない言葉の2種類(以上)があり、
ルーツ言語はメイン言語環境にないほうの言葉
ということになります。

実は最初、ルーツ言語の定義を、
「異言語環境における、自分のルーツに関係する言語」
というふうに考えましたが、その後、
自分のルーツに「関係する」という言い方は
かなりあいまいなものが含まれ、誤解を招く可能性があると考え、
また「ルーツにまつわる」「ルーツにつながる」などにも
同様の問題があるように思われ、
一番直接的な「血のつながりのある言語」とするのが
誤解が少なくてよいように思いました。

その後、さらに考えて、「異言語環境における」という表現も
十分ではないことに思い至りました。

私がルーツ言語を、自分と血のつながりのある
「子供のメイン言語環境とは異なる」言語であると
考えるようになったきっかけは、
わが子と同じく中国に住む日中ミックスのお子さんが
日本人学校に進学したことです。

その子は幼稚園までは中国現地幼稚園に通っており、
当時その子にとってのメイン言語環境は中国語でしたので、
日本語がルーツ言語でした。
ところがその子はその後、日本人学校に進学し、
日本の学校教育を受けることになりました。
そうなると、日本語がその子にとって
メイン言語環境となった(なっていく)わけで、
その場合、日本語はルーツ言語とは呼べないのではないか
と感じました。
むしろ、その子は中国に住んでいるにも関わらず、
中国語のほうがその子にとってメイン環境にない言葉に
なるのであり、意識して学ばせないと
受け継がれない可能性もあるルーツ言語にあたる
のではないかと思えました。

同じ中国に暮らす日中ミックスでも、
中国現地校に通うのと、日本人学校に通うのとでは、
子供の言語・文化環境は全く異なります。
ですので、ルーツ言語の概念を考える際には、
その国・地域で何がメイン言語環境なのかということではなく、
「子供にとって」何がメイン言語環境なのかという視点で
考える必要があると思います。

そのことに気づいて以来、「ルーツ言語」は
「異言語環境における、自分と血のつながりのある言語」
という定義では不十分だと感じるようになり
(「異言語環境」だけでは、「誰にとっての」
異言語環境なのかということが分かりづらい)、
私の中でルーツ言語は
「血のつながりのある、子供のメイン環境とは異なる言語」
と定義づけられるようになりました。

一般に、その子が所属する幼稚園・学校教育で使われる言語が
子供にとってメイン言語環境であろうと思われますので、
「ルーツ言語」は幼稚園・学校教育(特に義務教育)を
受けないほうの言語となることが多いのではないか
と思います
(イマ―ジョン教育が行われている学校など、
 少数の例外もあると思います)。
もちろん、言語発達の途中で国を移動したりして、
異なる言語環境の学校に通うようになれば、
子供にとっての「ルーツ言語」の位置づけは変わる
と考えられます。
例えば、中国で現地校に通う日中ミックスのわが子の
ルーツ言語は現在日本語ですが、今後日本に引っ越して
日本の学校に通うようになった場合、
(あるいは中国で日本人学校に転校した場合)、
中国語のほうがルーツ言語となるという具合です。

いずれにしても、「血のつながりのある言葉」で
「その子供にとってメイン環境にない言葉」、
それがルーツ言語であると私は考えています。

つづく。

(研究会メーリングリスト 2017年3月24日 自分の投稿)


チビちゃんの小学校も4月末に運動会を開催。
小学校のグラウンドが非常に狭いため、
朝5時起きで、先生が子供たちを引き連れ、
バスで郊外の中学校へ行き、運動会を行いました。
今回も、親の参加はなしです。

IMG_2786
IMG_2786 posted by (C)つばめ

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IMG_2787 posted by (C)つばめ





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Last updated  2017/05/24 05:51:13 PM
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