2008/05/21(水)00:50
『霧笛荘夜話』 浅田次郎
最近、浅田次郎さんの新作を読んでも、あまり
ピンと来るものがなかったのですが、久しぶりに
浅田さんらしい切なさと、世界観を味わえる本に
出会えました
お話の方は
とある港町、運河のほとりの古アパート「霧笛荘」
法外に安い家賃、半地下の湿った部屋。
わけ知り顔の管理人の老婆が訪れる者を迎えてくれる。
誰もがはじめは不幸に追い立てられ、行き場を失って
たどり着いた住人たちはそれぞれに人生の真実に気付き
はじめる―。
比類ない優しさに満たち、心を溶かす7つの物語。
傍から見たら負け犬にしか思えないかもしれないけど、
それぞれに自分らしさを貫いて生きる住人達。
それを不器用ととるか、潔いととるかは読む人それぞれ
だとは思いますが、なんだか心に染み入る1冊でした
現代小説とも時代小説ともちょっと違う、不思議な物語
だったと思います。
霧笛荘夜話
579円