2008/10/05(日)19:50
『甘露梅』 宇江佐真理
お友達のきんぎょちゃんのところで読んだ感想を見て、
面白そうだなぁって気になった『甘露梅』。
真似っこして、早速買って読みました
お話の方は
岡っ引きの夫に先立たれた町家の女房、おとせ。
時を同じくして息子が嫁を迎えたため、自分は手狭な
家を出ることに。
吉原で住み込みのお針子となったおとせの前には遊女
たちの痛切な生の営みがあった。
さまざまな恋模様、その矜持と悲哀。
そして自身にもほのかな思いが兆しはじめ…。
今宵ひと夜の夢をのせて、吉原の四季はめぐる。
哀切の傑作時代小説。
岡引の女房として普通の生活してきた女性が、約1年に
わたる年月を吉原でお針子として生活していきながら、
そこに住む女性達の過去や、思いなどに触れ合っていく
過程を描いた短編集です。
素人の女性の目線で描いているのが、この手の小説に
しては珍しく、また現代の私達にも共感を覚えやすく、
わかりやすく仕上がっている作品だなって思いました。
季節感を重んじる吉原の行事の美しさや、儚さ。
タイトルにもなっている『甘露梅』の作り方も、丁寧に
描写してあるので、読みながら思わず生唾
私も口の中で転がしてみたいなぁ~
これだけ手間暇をかけた梅は、さぞかし美味しいで
しょうから
甘露梅
519円