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カテゴリ:時事
今日はオムニバス形式で時事ネタの感想を。
1)世銀総裁スキャンダル 世銀総裁が自分の彼女に昇給を要求したというスキャンダル。おいおい、といいたくなる話だが、私の関心はどちらかというと、なぜ今?なぜウォルセビッツ?に向く。なぜにそっちに感心がいくかというと、ちょっと時期はずれな気がするから。自分がトップである会社・組織にパートナーがいる場合、組織運営上問題があるとみなして、そのパートナーのキャリアをあきらめてもらう代償として多額の退職金と共にやめてもらう。そして報道を読む限り世銀内でそのような話があったという。純粋に政治性がなければ、セ氏の彼女が世銀で働き続けているという時点で十分なスキャンダルネタである。報道されただろう。それを、昇給させたという時点まで報道されない(待っている)となれば、何かしらの政治性を嗅ぎ取るべきだろう。 で、政治性とは何か?というところだが、元々セ氏は国防総省出身で、もともと国務省の勢力下にあるはずの世銀に納まったのは、イラクに関して国務省に口出しをさせたくないという国防総省、正確にはラムズフェルドらネオコン一派の差し金と察せられる。(国防総省側が国務省にイラク問題でうまく働かせなかったのは、元国務省職員などが暴露本を書いている) だが、いまやボルトン元国連大使、ラムスフェルド国防長官が公職を去り、チェイニー副大統領も側近リビーの有罪判決で旗色が悪い。要は一時の勢力が弱まってきている。そしてセ氏も同じ一派であるので、スキャンダルで引きずり下ろそうとしていると、察せられる。 万事、栄枯盛衰。おごれるもの久しからず、である。 2)北朝鮮核問題 13日を以って北朝鮮の核施設封鎖期限が切れた。まあ、以前書いたとおり、すぐに壊れるだろうといったとおりになっているように見える。が、話は依然流動的なので注意して見守る必要はある。 が、よく分からないのはなぜ北朝鮮がそうしたか、だ。もちろん、今回の合意はまずアメリカ側が譲歩(2500万ドル分のBDA口座凍結解除)をしてから北朝鮮が核施設封鎖することとなっており、北朝鮮側としてはまずは何もしないで2500万ドルをゲットできることになる。それだけでも十分に口先だけでも合意する価値があると、北朝鮮側が思った可能性はある。 だが、実は今年2月にアメリカ側が現状を変えうる手を1つ打っている。それは、去年ラムズフェルドが提案し始めたことだが、韓国の戦時の軍司令権を韓国軍に権限委譲を2012年までに行う、と合意した。(合意したというよりは、アメリカが一方的に言ったので韓国が従わざるを得ないということのほうが正確であるが)調べてみると、平時の軍司令権は94年にアメリカから韓国へ移譲されている。冷戦が終わるまでずっと軍司令権はアメリカにあったということはびっくり! 通常なら、朝鮮半島でのアメリカの影響が薄まって敵であるはずの北朝鮮が喜ぶべきであるが、北朝鮮側の国内報道では、こんなのは単なる見せ掛けであると、歓迎の意を表するどころか、不信感むき出しである。(素直じゃない、可愛げのない金正日、アナリスト泣かせな奴である。) ということは、韓国側がアメリカという歯止めがなくなったら、北朝鮮に攻めてきちゃうかも?と恐れているのか?確かに今は仲がいいが、南北で仲が悪くなったら、と可能性としては考えておくべきことではある。(多分南北の戦いだけでも北は負ける可能性はある。核をソウルに発射しなければ、の話だが) 他に考えられる要素としては、意外に北朝鮮もアメリカにいて欲しいんじゃないのか?説。何のために?中国のカウンターバランスとして。中国と北朝鮮は同盟国だが、必ずしも仲がいいわけではない。北朝鮮に言わせれば、中国は共産主義に徹しておらず、資本主義化して邪道(自国だとて自主(ジュチェ)思想を共産主義よりも上位に据えている時点で十分邪道なんだが)だし、小中華思想(明王朝が満州族(夷族と李氏朝鮮が見下していた)の清に滅ぼされて、本来の中華文明・思想はおれしかいないじゃんと勝手に自認する思想)が未だ支配しているのだろう。また、中国側としても扱いにくい弟分くらいにしか思われていないだろう。 とすれば、アメリカが韓国から存在を薄くすれば、中国の影響力はさらに高まるわけで、そうなると、北朝鮮側としてはあまり面白くない。なので、北朝鮮としては逆にアメリカにいてくれろ、ということになる。どうかな、この説? 3)アフガニスタンで米軍はイラクの焼き直し? ここ数日、アフガニスタンで米軍が民間人を殺害している報道がなされている。イラクと同様、ロジックは誰がテロリストで誰がそうでないか、分からないからとりあえず皆殺しとけ、というもの。ここら辺りの発想はベトナム戦争から進歩していない。また、イラクでやっていて失敗したというのに、未だ繰り返すのは頭が悪い、悪すぎる。 しかも、アフガニスタンで、というのが気になる。アフガンはイラクが後に控えていたという理由で米軍がタリバン政権を一掃してからとっととNATO軍に権限委譲した。ところが、イラクがうまく行かないので、米国民の関心を他に移せ&NATOもタリバン軍の盛り返しで苦戦中だからアメリカに追加援軍要請が来た(ヨーロッパ勢がもう嫌気を指しているので、結構引き上げているのに付け込んでいるところはある)、ということで援軍した。(ちなみに、イラクでは反対しているヒラリーなども、アフガン援軍に関してはOKしていた) アメリカにとり、米軍が最も苦手とする戦後処理をヨーロッパに押し付けたせいで、アフガンは米軍の成功事例としてそれまで扱われていた、のにである。せっかくペトレイアス・イラク司令官が反乱鎮圧マニュアルを作ったのに、意味ないじゃん。 もしも、アフガンを第二のイラクにしようとしたら、その意図は何だろう?アフガンの隣国にはイランがある。イランの隣国イラクを不安定化し、アフガンを不安定化し、間に挟まれたイランも不安定化していく可能性は十分にある。どうせなら、反米国のイランに仕掛けようということか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
April 16, 2007 02:17:24 PM
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