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我思う、ゆえに我あり

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yukie_yo

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January 15, 2008
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カテゴリ:仕事
今日は終日シルクロードの歴史について勉強&執筆(正式にはボスの著作加筆修正)。

大航海時代、日本は徳川政権が鎖国しちゃったけど、中国は完全にはキリスト教を弾圧しなかったので、というよりマカオを勝手に占領しちゃったから、そこを足がかりにやたらめっちゃかイエズス会の宣教師がやってきちゃう。ザビエルなんかもその一人。彼の場合は中国にあまり長居せず、日本にいついたりしてる。中国だと一番有名なのはマテオ・リッチ。だが、結構な人数のヨーロッパ人がやってきて、とりあえず自分たちがある程度中国化しないと、信者が増えないという理由で中国語を勉強して、中国服(儒学者が着るようなやつ)を着て、中国語で紹介本を書きまくった。そこでのミソは、イエズス会は西洋の科学技術(天文学、数学など)を勉強してから宣教師を派遣したから、そうした技術もあわせて紹介。すると、キリスト教を信じるかどうかは別にして新しい技術を勉強したくて宣教師のところにいっちゃう。

そうした宣教師は、きっとキリスト教を知らない野蛮人に教えてやろう、くらいの勢いでいったと思われるが、とりあえず中国化の一環として中国古典(四書五経など)に触れる。それをどれだけ評価したか分からないが、任期が終わって、地元に帰ると、半分生活のため?半分自分がいかにすごいところにいって活躍したかをいうため?中国の紹介本を書きまくってる。

当時のヨーロッパは、マルコポーロの本でしか中国の知識なんかないから、大反響を生んだらしい。それで、中国に行ってみたいとかいうやつをさらに量産しちゃったようだが、多分中国を尊敬したのは、むしろヨーロッパ本国のインテリ層(それも、超頭のいい人、先が見えちゃう人たち)だと思う。

で、ヴォルテール、ライプニッツなどの大物が孔孟を尊敬してやまなかったようだ。さらに、笑えるのが、ルイ15世が古代中国の籍田(春先に自分の田んぼを耕して農業を奨励)の礼にいたく感動して自分も18世紀にまねたそうだ。

孔孟なんて特に、乱世の春秋戦国時代に昔の舜尭時代はよかったねえ、と半分回顧(というより勝手に理想化)しながら、今の世の中、なっとらん!といわんばかりに道徳を説いた。西欧なんて、しょっちゅう互いに戦争ばっかりやってる(考えてみれば、中国とヨーロッパはほぼ同じサイズ。そこで中国で統一政権が何度かできて数百年単位で統治されてるのに、ヨーロッパだとローマ帝国が潰れてから、カール大帝がちょいとの間実現したけど、まともにそんなことはできたためしがないというのは、しょっちゅう互いに戦争ばっかりしてたということでもある。となると、半分くらい春秋戦国時代がえんえんと続いたと思ってもいいのだろう)ヨーロッパで、うける。

気持ちは、よくわかるような気がする。国際関係、しょっちゅう無政府状態じゃ、困るよな。多分みんな孔孟の教えが実現できたら、とってもいいよね、と思ったまでは思ったんだと思う。いわば、リアリスト(国際関係理論でいうところの)たちにリアリズムを説く感じ。リアリストたちも、今でもリアリズムだけだったら、問題の根本的解決はない、と思ってる。その場しのぎはできてもね。けれど、悲しいかな、リアリズムをきいてると、現実離れしてるようで、実現は無理そう、と思っちゃう。

現に、本家本元の中国でだって、孔孟の教えは戦国時代には使われない。どっちかといえば、平和になってから、いかに平和な状態を永続させるか?というところで初めて使われる。なので、多分ヨーロッパでも、同じような対応を受けたのではなかろうか?それで、植民地化を止めるには至らない。

人間、わかっちゃいるけどやめられない、ってとこか。





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Last updated  January 16, 2008 02:49:58 AM
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