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テーマ:政治について(20219)
カテゴリ:アメリカ・日本の発見・比較
今日、アメリカ人の友達と話していて、出てきた話題から。
日本社会を飛び出して海外に行ったものには、日本は冷たい。都合のいいときは使おうとするけどね。 例えば、従軍慰安婦決議問題で話題になった、マイク・ホンダ議員。この議員は、80年代には、太平洋戦争中日系人を拘束したことに対して国として謝罪、並びに慰謝料を払わせる運動を展開した人物でもある。 本土の日本は、このとき、何かしてあげた?してないよねえ。そんな日本に、いい思いを抱くか?あのとき、ホンダ議員を批判した人たちは、一度、考えてみたらいい。 日本がまだ貧しくて全員食べさせられなかった時期に、あえて中南米に移民してくれた人たちに、日本が豊かになった後、何かしてあげただろうか?今その子孫が日本にやってきても、景気が悪いからという理由で、追い返してしまう。 もっと身近な例を挙げれば、私の上司はしょっちゅう日本にお金をもらいに日本に行きますが、別に私という日本人を雇っている、とはいいません。それで、日本の会社は、喜んで余計にお金をくれるわけじゃないから。(他の国なら、喜んでくれるけどね) ワシントンのシンクタンクに長らく勤務していた、ある日本人は、周りから「アメリカの回し者」と思われている、ともいいます。別にお金をアメリカからもらっているわけでもないのに。 で、友人はきくわけです。なんで? 私の仮説はこうです。日本人は、国という単位で忠誠心、帰属意識をあまり持っていなくて、所属組織の方に強い忠誠心なり帰属意識をもっているから。 こう理解すると、上記の現象も説明できるし、例えば、オールジャパン体制になって考えなければ、ということが、いかに日本でうまくいっていないか、がいろいろ説明できます。 例えば、エネルギー問題を考えるにしても、油田の採掘権を獲得するには、単なる商業取引だけでなく、プラスアルファを求められる。例えば、アラビア石油のカフジ油田の権利更新交渉をしたときに、権利更新料に加え、鉄道を作ってくれとか、石油化学コンビナートを作っておくれとかいう注文がつく。 けれど、一介の石油会社などでは対応できない。政府機関や色んな日本企業がかかわらないと、こうしたプロジェクトは成功しない。 なのに、なかなかまとまらない、あるいはまとまれない。 全体を考えようよ、という気運がそもそもあまりない。政府機関からして、石油公団の解散後に生まれた、JAPEX、INPEXという2機関が並び立ち、同じ経済産業省の外郭団体のくせに、協力しようともしない。何で二つなくっちゃいけないのか分からないが、自力で合併しようという気配はない。国益よりも、自らの組織の利益の方が大事なのである。 国を考えるべき立場にいるはずの政府機関がこうなんだから、民も推して測るべし。(昔は、資源派といわれる、財界の大御所たち、例えば中山素平なんかがいたんだが、今は絶滅種か?) それとか、太平洋戦争中、日本兵はものすごく勇敢に戦って、連合国をびびらせているけれど、さらに彼らの首をひねらせたのは、一旦捕虜にすると、日本兵は進んで情報提供をしてくれる、という現象。何でやねん? もちろん、日本兵は捕虜になるくらいなら、自決します、という建前があったから、もし捕虜になったら、どういう態度でいろよ、というのを軍が教えていなかった。ので、欧米だったら、名前と所属先なんか以外は黙秘権を行使できて、逃げられそうなら、逃げて帰って来い、無駄に死ぬことはない、と教えるので、絶対に敵側に進んで情報提供なんかしやしない。 そういう芸当が思いつかなかった、というのなら、話は分かる。けど、最初からやる気がなかったわけではなく、むしろあれだけ、命がけで戦ったくせに、なんで進んで情報提供するか?もらった欧米側は、これは信じて良いのか?という疑問が生まれるわけだが、それも、捕虜という、日本の組織の外に出てしまって戻れない、という認識が生まれれば、それまでの日本軍への帰属意識、忠誠心は一気にうせる。で、新しい所属先?で忠誠心を同じ情熱をもって示してしまう。 なんでこういう仮説に至ったかというと、それは国連など国際機関で日本人の雇用が少ないという現象から考えました。 自分で就職活動をしたときに、日本人が一番、親切じゃないんですよね。みんな、自国民の人たちや学校の同窓がコンタクトしてきたら、大喜びであって、何とか組織の中に入れて、自国民の組織内でのステータスをあげようと画策します。けれど、そんなことをいわずに、試験を受けてください、なんていう原理主義者は、日本人とキューバ人くらい、なんだそう。 何でだろう?と思ったら、この仮説に行き着いた。国という単位の帰属意識よりも、組織の忠誠心の方が高かったら、この現象はおきる。同じ国籍の人間というだけで雇うよりも、試験を受けて有能であることを証明された人を雇用してくれ、という思うこの発想。 まあ、鎖国が続いた江戸時代、日本人は、基本的に自分たちは日本人と思ってなかった。薩摩人とか、長州人とか、会津人とか、藩単位で思ってた。で、たまたま勝海舟が、日本人という認識を持って、明治維新を影で動かすのだが、そう考えれば、あまり日本に対して帰属意識は生まれにくいのかもしれない。 それに、所属先を複数持つほど、器用でもないのかもしれない。 高校時代に留学中、祖父母の代、父母の代の国籍を書いて来い、という宿題があった。日本人だと、何いうとんねん?という感じだが、周りを見ると、どれ一つとして、アメリカ人Xアメリカ人という組み合わせはない。大概が、ドイツ人Xイギリス人だの、なんだのばかりで、全部日本人という私の方が、珍しがられた。 いまオバマの外交顧問をやっている、ブレジンスキーなんかは、アメリカの民族比率に応じてアメリカの外交政策が出来上がる(例えば、アメリカの人口の中でのユダヤ系比率が高いから、政治家はユダヤ票を無視できず、イスラエルの外交政策に力を入れざるをえない)なんて言い放つ人もでてくる。 二重国籍が普通にありえるアメリカで、忠誠心はどこに?という疑問が根っこに存在する。特に、ユダヤ系は、アメリカの国家機密に該当する、最先端技術もイスラエルにこっそり流したりするなど、問題となっている。(どの国もアメリカから最先端技術を盗もうとしているが、イスラエルが一番ひどい、と言われている。けれど、ユダヤ票が物を言うから、基本的に政府は及び腰だ。最近、流れが変わってきているけれど) そういう意味で、日本のムラ社会への忠誠心は、不思議がられる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
April 8, 2010 03:51:36 PM
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