我思う、ゆえに我あり

2010/05/19(水)14:39

アフガン外相は語る

時事(190)

今日は、アフガンの外相の講演に行って来ました。 メッセージは、アメリカとアフガンは一蓮托生なので、国家建設途中で勝手に出て行くな、である。 アフガンには2001年からかなりの人間と資材が投入されて、アフガン再建の機会を与えられた。今までのところ、この千載一遇のチャンスをうまく活用できなかった。しかし、こんなチャンスはめったにあるものではないので、成功させたい。このチャンスをつかまなかったら、アメリカは分からないが、アフガンは終わりだ。 気持ちは分からないでもないが、情勢は厳しいと思われる。 そう、かなりの資源がすでに投入されているのに、進展が思わしくない。そして、既に関心は下がっているし、アメリカ自体にお金がなくなっているので、どうやっても、ゲイツ国防長官がいくら防衛費膨張を抑えるといっても、2011年には「撤退」開始になるだろう。ならなかったら、オバマの再選は真剣に危ぶまれる。(今でも十分危ぶまれている。) むしろ、アメリカ側の返答は、11年までに何とか政府機能をちゃんとしてくれる?である。 去年からさすがのカルザイも選挙で不正行為が発覚して、やり直しするし、腐敗がはびこっているし。 そして、あまりに事態が泥沼であると、いくら資金を投入しても、無駄か?となるし、どうでもいいやと匙を投げることになる。 そして、それを見越して、パキスタン側はタリバンと手を組もうとしている、といううわさがワシントンで立っている。 タリバンがもう一度アメリカでテロでもしない限り、タリバンがのさばっても、アメリカの一般市民には、特に経済が悪い状態では、どうでもいい話、といえる。 なので、この意思表示が12年、いや11年から、ワシントンは意識せざるをえなくなる。 カルザイが今月ワシントンに来たときは、確かに、オバマはカルザイが欧米軍の悪口をいわないように、丁重な扱いをした。カルザイも、アフガンで負傷した米兵を収容している病院に寄って、感謝の意を表すなど、和解モードをかもし出した。 けど、肝心の政府機能がまともに機能しないという現実は糊塗出来ない。 そして、11年までに何とかなるような兆しもない。 外相のあせりもよく分かるけど、絶対アメリカが引き続き支援しなければならない、と説得するには残念ながら、至らなかった。

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