我思う、ゆえに我あり

2010/05/20(木)14:18

ヒラリー来日と天安号事件

時事(190)

さて、私の以前の邪推が正しいかどうか分からないが、韓国政府が正式に北朝鮮の魚雷により天安号は沈没したと発表した。 そして、今週末にもヒラリーがアジア歴訪をするが、これは別に韓国のためでも日本のためでもない。主眼は、中国との戦略経済対話のためである。 なので、ヒラリーはせっかく韓国や中国に行く前に日本に寄ってくれるのであるから、どうせ行きづまっている普天間問題などでこのチャンスを潰さずに、しっかり中国を何を話してくるのか、また天安号事件は、国連で対北朝鮮非難決議を通す程度でアメリカは問題ないのか、韓国にはその程度で我慢しろというのか、どうよ?他に何をやろうと思ってるの?日本は、協力するで、とか、あまりカネのかかることは御免だよ、ということをしっかりと話し合うのが主題である。 150周年の記念のために来日するといっても、本気で形式的な話だけで終わらせたら、日本政府は大馬鹿野郎である。メディアもどうせ普天間問題をヒラリーとどう話し合ったかについて集中し、話の進展のなさを批判するだろうけど、それは的外れの批判であり、本来は中国や韓国、北朝鮮について協議するのが筋である。 今日のNYタイムスで対北朝鮮交渉を長年やっていた、ジョエル・ウィットがいい小文を載せていた。 オバマ政権は、せっかくビル・クリントン元大統領が金正日と会ったのに、そして、ボスワース大使を北朝鮮に送ったのに、その後は北朝鮮と会う前条件をどうのこうのと言い募って、北朝鮮と会おうともしない。(まあ、イランとアフガンとイラクで頭がいっぱいだし。。。) この天安号事件をいいきっかけに、「戦略的忍耐」などと言って交渉を先延ばしにしないで、とっとと北朝鮮と交渉する方向に向かえ。 いくら待っても、北朝鮮は金正日体制で変わらないし、明日やあさってに潰れる予定もない。北朝鮮を無用に放置すると、天安号事件をまたやらかすで。 北朝鮮は、忍耐強く交渉をし続けて、少しずつ事を進展させる以外にない。 という趣旨である。 もし、北朝鮮がアメリカにシカトされたから天安号事件を引き起こしたのなら、その通り。しかし、李政権は今まで国内を抑えていたけれど、犯人は北朝鮮と言ってしまった以上、ますます北朝鮮への強硬策を打ち出せという世論に包まれる。国連の非難決議、或いは議長声明で国内世論は落ち着くのか。 アメリカが、じゃ、北朝鮮も話そうよ、といって、六カ国協議の再開を提案しても、人様の軍艦を沈めるような国と話せるか、と韓国政府が蹴らざるをえない状況にならないかい?そして、アメリカに、無条件で北朝鮮と会うな、と注文をつける可能性もある。 そして、北朝鮮は北朝鮮で、国連非難決議をするなんて、ひどいや、とアメリカとしばらく話したくもありません、と最初はいって、しばらくごねてから、アメリカと無条件にサシで話したいというのだろう。 そこで、アメリカが韓国の言い分を考慮しつつ、北朝鮮と交渉を開始しろというのなら、ウィット氏のいうことはもっともだ。

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