我思う、ゆえに我あり

2010/06/12(土)14:21

ロシアのユーラシア主義

仕事(320)

今日はロシアのユーラシア主義を調べてました。 大分前にここでも書いたような気もしますが、ロシアがシベリアの端までやってきたのは、結構最近、といってもロマノフ王朝時代の話。 それ以来、ヨーロッパの田舎というステータス(感覚的にはウラル山脈までがヨーロッパの限界だ)から、ヨーロッパとアジアからつまはじきされ、自らのアイデンティティも千々に乱れている。 これがまた、外交にも反映されるからたまらない。 基本的には、ヨーロッパを向きがちだ。でも、ヨーロッパで大失敗とか、嫌気がさすと、アジアに向かい、それでも否定されると、またヨーロッパに向かう、という振り子のような存在。 具体的にいえば、クリミア戦争(ナイチンゲールが活躍した戦争といったら、なじみやすいか?)でロシアが負けると、アジアの南下政策を打ち出す。 実際、アジアを向くように、ドイツ皇帝がイギリスと日本をけしかけて同盟を組ませ、アジアでロシアが膠着状態になるように仕向けた。まあ、それにうかうかとのせられて、日本は日露戦争の道を突っ走るのだが。 で、日露戦争でまさかの敗北を喫すると、またもやヨーロッパの方に向く。というより、日本のスパイ、明石がウクライナなどで反乱を起こすように煽動、資金提供したからだが。 で、そのまま第一次世界大戦、第二次世界大戦とヨーロッパでの動きが活発だったので、そちらばかり目が向いていた。 それでも、戦間期の20年代には、アジアを向く動きはあったようで、それを、「アジア主義」と呼んでいたらしい。松岡洋右にも、レーニンがロシアはアジア人だ、といったという。 そして、そのまま冷戦を迎え、終結。(朝鮮戦争は、金日成がソ連にねだった話だし、中ソ間は70年代以降冷え切る) そうして、ソ連時代が世界外交的にあまりにも華々しかったために、経済破綻して人民、インテリ層の人心が落ち込むと、当然夢よ、もう一度、といいたくなるわけで、少なくても旧ソ連圏への影響を維持しよう。となると、これらの国々をまとめるための、共産主義に代替するイデオロギーがほしい。 それをうまく提供できるのが、ユーラシア主義というわけ。 ヨーロッパとアジアのエキスをどっちも持ってるよ。といいたいらしい。 そして、ヨーロッパだけでなく、アジアにも存在感を示して、バランスをとろう。一部、アメリカに対抗したいという下心がある。 なので、その地の利を活かして、プーチンもシベリアから石油、天然ガスパイプラインをアジアの方に引こうとか、シベリア鉄道を延長して、朝鮮半島を縦断しようとか、言い出す。 ロシア自由民主党(日本の自民党と紛らわしいが、関係はないだろう)というのは結構反米意識が高いらしく、真剣にモスクワ・ベルリン・東京機軸とか考えているらしい。 それって、昔の三国同盟を一国変えただけ。。。じゃん?日独は、渋い顔をするだろうな。。。 それでも、ロシアの中では中国を推すか日本を推すかでもめているみたい。中国はこれから存在感がどんどん増していくだろうから、いい同盟だと見るのも可能だし、逆にロシアを今後脅かすのでは?という不信もあるので、日本の方がいいんじゃないか。ちょうど日本とは北方領土問題があるから、これに譲歩したら、提携がしやすいんじゃ?という思惑が働く。 このロシア自民党は、力はないだろうけど。。。 そこまで過激にいかなくても、プーチンはアジアに行こうとしている。なぜか、2003年の国際イスラム会議(マレーシアで開催)にプーチン参加。いつからロシアはイスラムになったっけ?イスラム人口が全くいないわけではないのをこじつけて見た模様。他にも、2005年の東アジアサミットにオブザーバー参加。ま、こっちの方が分からないでもないが。 笑えるのが、元防衛大臣が「NATOが東(ヨーロッパ)に行くのなら、ロシアも東(アジア)にいく」とまで発言。 そんなに東西をきょろきょろしてたら、どっちにも相手にされないと思うんだが。。。

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