我思う、ゆえに我あり

2010/06/20(日)15:29

アフガンとパキスタンの覚醒?

時事(190)

昨日Coveの話を書いたが、今日NYタイムスに、日本でのCove上映を阻止する「極右」団体について報道されていた。 思想検閲みたいなことしなくたっていいのに。日本にとってよくないと思うなら、みんなに見せて、みんなに批判してもらう体制を作ればいいのに。 それはおいておいて、アフガンとパキスタンの接近が最近よくアメリカのメディアで報道されています。 ええ、既に彼らは米軍撤退後の世界を模索してます。これを別名米軍のレイムダック化ともいいます。メディアはそこまで貶めていないですが、あけすけにいえばそうなります。 けれど、それが彼らにとって一番いいことだと思います。アメリカはそうでないけど。 要はそれでアメリカなしで自立していくということに他ならないから。 もともと仲が悪い人が隣にいる場合、そこに第三者が入ってきたら、普通どうします?第三者を自分の側に引き込もうとするじゃない?隣の悪口とか言ったりして。 特に、第三者が強かったりしたら、なおさらでしょ? そういう場合、隣は自分の悪口を言われてさらに怒るし、両者の関係はますますこじれる。 けど、もし第三者がいなくなるとしたら?改めて隣との関係を見直そうとして、和解の方向に向かうもんじゃないですか。 まさに、そんな感じ。 ちょっとは、オバマ政権がひいたから、アフガンのカルザイもワシントンに来たときには、和解モードをかもし出したけど、やっぱり米軍が出て行くということは悟ったのだろう。親米派を内閣から追い出し、タリバンを含めパキスタンとの関係改善に舵を切った。 なので、逆に元のあるべき姿に戻りつつある、と見ていいのだろう。 こうした姿勢は、個人的にはとても興味があります。 なぜなら、これが欧米の分割政策の対抗策となる可能性があるから。 分割政策というのは、欧米が植民地を統治する際の手口の一つで、現地民間をわざと仲違いするように、宗教でも民族でも何でもいいんだけど、何かしら現地民を分ける切り口を見つけてきては、一方をかわいがり、もう一方をいじめる。 まあ、アメリカの場合、タリバンと非タリバンの違いがわからないから、かわいがっているつもりでも、殺してたりするけど。 そうしていれば、虐げられた方の怒りは、もちろん欧米にも向けられるけど、彼らにかわいがられる現地民にも向けられる。よって、欧米にすれば、怒りのエネルギーの分散となる。そうすれば、現地に派遣しないといけない政府職員、軍人の数が少なくて済む。 そうして、植民地を手放す場合には、反母国一色にならずに、内乱をやっててくれる。 この仕組み、分かってしまえば、全員はめられていた、というのがよく分かるのだが、悲しいかな、みんなが分からないと、この政策の対抗策が打てない。そして、分かりそうなものじゃん、と思うかもしれないけれど、これが分からないようにいつの間にかインプットされているのだから、恐ろしいのである。 で、現代を見回してみても、この分割政策を乗り越えた事例というのが、ものすごく少ない。ルワンダのように極端に虐殺をした後で、ガチャチャという和解プロセスが行われているくらいしか、きいたことがない。 東アジアの場合、この分割政策は、あまり露骨にされていない。思うに、アフリカや中東と違って、国境を欧米人が線引きする前に、王国が既に存在して、国境なるものがあったし、宗教で分けるほど多宗教でもないし、民族が入り組んでいるわけでもない。(いたとしても、少数過ぎて、一大勢力にならない程度)インドまでは分割統治が出来たんだろうけど。 ので、東アジアは難しかったんじゃないかな? それでも、国の中ではなく、北東アジアという地域全体で考えるとないわけでもない。 これを喝破したのは、実は北一輝。日英同盟を以て、日中間を分割しようとする魂胆だ、といっていた。現代ではイギリスじゃなくてアメリカになっただけで、日本はアメリカを恃みとして、中国とまともに付き合おうともしない。 対中政策の腰がグラグラだ。普天間問題でちょっとアメリカに不機嫌な顔をされただけで、すぐにアメリカの機嫌直しの努力ばかりする。 一方、中国の船が日本の海保船を追いかけても、対応はおろおろしている。頭にアメリカがいるから、というのがあるから、まともに日本が、自分の頭で中国政策を考えない証拠である。 こういう現実をみれば、北一輝は正しいのかもしれないと思うのである。 しかし、アメリカを見捨てようとしているアフガンに対し、アメリカはどんな最後っ屁を考えるだろう?

続きを読む

総合記事ランキング

もっと見る