我思う、ゆえに我あり

2010/07/01(木)14:48

アメリカ覇権のレイムダック化VS地域主義の台頭

仕事(320)

今日はちょっと仕事にブレイクが入ったので、久しぶりにしっかり書きます。(明日からまた忙しいですが) 最近、思うんです。アメリカ覇権の低下というか、レイムダック化を。もう世界のあちこちでほころびが出来ている。 ここにも前書きましたが、アフガンやパキスタンでは、既に米軍撤退後の事態収拾に立ち上がっている。きっとカルザイを始め閣僚20人をワシントンに呼んで再度首脳陣をアメリカ側に引き寄せようとしたけれど、滞在中みんな、米軍は絶対撤退するな、という感触を得たんでしょう。 パキスタンはもっと早くからその方向で動いている。さすが、優秀な大使をワシントンに入れている国は動きもまた早い。(この点については、パキスタン大使が主任したときに書きました) そして、昨日、中国と台湾との間にFTAが成立しました。こういうところの動きは、日ごろ、他国に中国は一つとか言わせて置きながら、自分がやってることは、二カ国であることを認めている証拠じゃん?という突っ込みはおいておくにして。 もう明らかに馬政権は中国と事を起こす気はないし、自らの任期中に動かせない事実を作っておきたいし、それをまた内外に知らせることを意図してるんでしょう。もちろん、台湾としても、中国が大分経済成長したので、自分たちの経済と近づいてきた、という事実もあるけれど。(但し、台湾人が行く中国は、上海、広東などの大都市に限られているため、田舎のまだまだひどい状態を見ていないという見方もあるが) そして、それに中国も乗った。アーリーハーヴェスト制度を導入して台湾に有利なようにしてでも、中国・台湾FTAを望んだ。 注目すべきは、台湾は既にアメリカを当てにしていないということ。 アメリカという第三国が視野に入らなければ、近隣国と真正面から向き合わないといけないし、自分の立ち位置もはっきりと見えてくる。そして、そこから、現実的な外交が始まり、アメリカをバックにしないとできないような、不必要に攻撃的な態度は消えていく。 そう、あちこちでアメリカに頼らずに、自分たちで自分たちの近隣諸国と一緒に共生していく道を模索していく。 そういう現実外交が地域全体に広がっていけば、平和の可能性が広がる。 昔は今以上に他国の侵略が横行していて、もっと多くの人たちが死んでいっても、その都度、近隣国、民族との和解があったんだもん。 他人に頼らず、自分の運命にオーナーシップの自覚を持てば、見えてくるものがあるはず。 それに引き換え、日本は鳩山退陣という悪例を見てしまったので、まだしばらくは対米追随の雰囲気が支配するんだろうけど、アメリカ覇権なき東アジア内の、自らの立ち位置を考える方向に向かわないとね。

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