我思う、ゆえに我あり

2010/11/02(火)15:32

核開発に未来はあるの?

仕事(320)

今日、韓国の原子力エネルギーのセミナーがあったので、行ってきた。 元技術者が話すから、技術的なことが多いけど、分かりやすく解説してくれていた。 ちょうど、韓国でも六ヶ所村のように、核フルサイクルを考えているようだ。京都議定書のとおりになるなら、韓国はそのうち毎年CO2排出権を20億ドル買わねばならぬ、ならば原子力にもっと力を入れよう、ということらしい。 で、六ヶ所村のリサイクル方法は、核保有国+日本にしか適用されない(核兵器を作る材料ができちゃうから、IAEAの容認する国しかだめだそうだ)そうなので、別の方法(名前なんか聞かないでください。日本語で何ていうか知らないし)でリサイクルしようと考えているが、やるには、経済的な実現可能性、設置場所の確保(今まで科技庁のクビが2つ飛んでいるので、かなり至難な業だが)と、政治的妥結(アメリカ側がリサイクル方法を承認して技術援助をしてくれること)が必要である、とのこと。 何でも、このリサイクル方法をすると、ウランとプルトニウムが発生して、核兵器を作る材料になりうる、から。(それでも、六ヶ所村のリサイクル方法よりは、純粋なプルトニウムは出来ないんだそうで、さらに何かしないと抽出できないそうです) 要は、アメリカが韓国を信じてくれるか否か?ということらしい。少なくても、韓国側はそう取る。 日本の場合は、ちょうど貿易摩擦で大変な時期だったから、マンスフィールド大使がほかの事で摩擦を荒げるな、と強く言ってくれたので、さらりと流されてくれた模様だが、(それでも、アメリカの議員は毎年質問状を日本に突きつけてくるが)韓国の場合はそうはいかないそうだ。 それ以上に興味深かったのは、そもそも、核開発に未来はあるの?という質問が飛び出した。 原子力を選ぶのは、環境に優しい、(経済的に安い?)というのをよく聞くが、実際事故があったら、石炭や石油よりも環境にもっとひどい。地球温暖化で大騒ぎしているけど、原子力発電所の事故前の環境を取り戻すのに費用も時間もかかる。そして、事故は、人間がやる以上、あるもの、と考えないといけない。 さらに、本来なら代替エネルギーにもっとかけられる資源(お金など)を吸い取ってしまう、という見方もある。 でも、石油の値段がいかに高くなろうとも、産油国が石油を売ってくれない、或いは石油を運ぶのが非常に難しい状態になるリスクを抱え続けたまま、石油を燃やして、電気や文明の利器を使い続ける? でも、一度覚えた文明の利器はやめられないよねえ?景気が悪くなったら、電気代とか下げろっていうよね? そうしたときに、新エネルギーはまだ実験段階或いはまだいきなり膨大な需要を満たせないから、待ってろって言ったら、ちゃんと待つ? 石油燃やせ、って言わない? いうよね、というのを想定すると、何かしら手を打たなきゃ、と思うわけで、それがどこか欠点があったとしても、やらねばならぬ、と思う人がいてもおかしくはない。ましてや、経済が悪くなったら、再選できないかもとおびえている政治家ならなおさらだ。 簡単にYes、Noっていえないと思う質問だよね。

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