我思う、ゆえに我あり

2010/11/24(水)15:03

北朝鮮の憂鬱

時事(190)

今朝は、びっくりニュースで一日が始まる。ええ、韓国と北朝鮮の砲撃戦。 全く、世の中の流れを無視して、独自ロジックで動いて、日本以上にアメリカにかまってもらいたい北朝鮮。 アメリカの注意を引くためだろうけど、罪とがのない人たちに攻撃を加えるなど、言語道断だ。まさに、テロ行為である。 民家に砲撃して何が金正雲の手柄だ。ふざけているにもほどがある。 数日前、北朝鮮はアメリカの北朝鮮専門家、ジャック・プリチャードらと科学者たちにヨンビョン核施設を案内した。そこで、軽水炉の完成を誇示。その施設はアメリカ人たちの予想を上回るものだった。 そこで、これだ。おいおい。 北朝鮮の過去の行動的には、近く再開されるかもしれない六カ国協議でより有利な立場でありたい、という思惑が原因だと思われる。そのほかには、金正雲への権限移行プロセスが響いている、という見方もある。 まあ、確かに、北朝鮮がビル・クリントンやカーター元大統領を呼ぶ口実を作ってはアメリカと話したいというメッセージを送ったのに、オバマ政権は、知らん顔をした。北朝鮮が核を放棄するつもりなら話し合おう、というが、何を以てその意思があるかと認識するかについては、はっきりとした意思表示がなかったから、北朝鮮的には、無視されたと思っていいだろう。さらに、天安号事件で北朝鮮に非難が集中したから、ますます北朝鮮から手を差し伸べる動きがないとアメリカ、日本、韓国は動けなくなっていた。 けど、韓国側が一番冷静に天安号事件の謝罪は求めない、という戦略的判断を下して、公表した。北朝鮮はきっと言いやしないから、というのがそのいいわけだが、その裏には日本の拉致問題が六カ国協議の障害になっていたから、その二の舞は避けたい、という心もある。 さらに、G20でもAPECでも、北朝鮮は全然問題にならないし。 で、何かここで一発アメリカの注意をひきつけ、米朝会談(或いは六カ国協議)を再開させたいと思ったのだろう。そのためには、何かしら目が覚めるようなことをしでかさねば、と思ってしまったのが、百年目。 実際、オバマ政権内で大統領を巻き込んで北朝鮮をどうしよう?という会議は開かれた。科学者を施設に入れてオバマ政権に揺さぶりをかけるよりも、はるかに効果はある。 だからといって、アメリカの注意を向けさせて、いいことがあったか?というと、微妙だ。 少なくても、北朝鮮が最も欲するもの、身の安全(平和条約)を保障してくれる大国がアメリカだ。 この前提も、最近の動向を見ていれば、アメリカだけでなく、中国やその他との関係次第なのだが、金政権も本国に引きこもっていてばかりなので、その辺りは分からないのかも。 なので、大国アメリカと対等に交渉できる北朝鮮、というイメージに自己陶酔したいのだろうけれど。。。 当然ながら、普通にしていて、アメリカにまともにつきあってもらえるはずもないから、当然悪さをするわけで、当然アメリカは不信の塊で交渉を始める。 そんなところからスタートするから、カンフル剤程度の多少の支援は取り付けられるけど、本当にほしいものはえられない。クリントン時代だって、枠組み合意は出来たけど、アメリカもまともに軽水炉を造る気もなかった。(10年で準備するといって、この合意が破棄されたのは8年目。それでも、基礎工事に毛の生えた程度しかてきてなかった。2年でとてもじゃないが、できまい、と北朝鮮でもわかるさ) 北朝鮮も心を入れ替えないと、本当にほしいものはえられない。いい加減、北朝鮮も学ぼうよ。

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