本物の安保議論をしてほしい
安倍首相が去って、スキャンダルネタがない、平和だなと思っていたら、うわー、出てきた、守屋スキャンダル。奥さん共々相当なものだ。(報道を全て信じればだが。まあ、本人たちも全面的に認めているそうなので、あっているんだろうけれど)奥さん自ら山田洋行の重役の座をせびるのって、いただけないことこの上ない。まあ、同じ人を長いこと次官にしちゃいけないってことですな。けれど、理解できないのは、守屋スキャンダルのせいで、防衛「省」を「庁」に戻そうという議論まであること。一回くらいのスキャンダルで省が庁になったら、省なんていくつあることになるわけ?いつも思うんだけれど、問題の本質をつく議論が日本には非常に少ない。大体、どうでもいい重箱の隅っこをつついてる。民主党がインド洋沖給油についてもイラク向けにも給油したんじゃないか、とか、政府が出した数字が間違っているとか。そりゃ、民主党側が政府に喧嘩を吹っかけたいのは分かります。大いにどうぞ。また、小沢のおかげでテロ特措法が日本中に知れました。そういう意味では普段安全保障をあまり考えなさ過ぎる国民がテロ特措法を考えるきっかけをつくってくれたことに感謝してます。が、もっと本質をなぜに突かない?なぜに日本が反テロ支援をしなければならないのか、何を基準に国際協力をすべきなのか、テロ支援というのは給油しかないのか、他にはないのか。小沢のいうようにISAFに自衛隊を送ったら、イラクのように泥沼にはまる危険性大だが、それでも反テロ支援をするのか、しないなら給油よりも効果的な国際貢献方法はないのか。こういったところが、本来最も日本が答えを出さねばならない問題ではないのか?小沢だとて、別に石油代をけちれ、といっているわけではない。(ここんとこ石油は確かに高いが)小泉時代にまともに議論もしないでやってしまったことに対し、待ったをかけている。そういう意味では、アメリカ政府内にまともな日本専門家が少ないものだから、小沢を非難する奴が多い。確かに、そういうところでは、日本の民主党もワシントンに誤解を解きに誰か適当な党人(前原とか)を派遣した方がいいのだが。が、アメリカがいくら給油しろ、といったところで、日本には日本の中でこの問題を消化して、自分の頭で結論を出す政策決定過程が必要である。テロはちっとやそっとじゃアフガンからいなくなるものではないので、(状況が悪化するという話はあるが)ちょうどいい機会だから考えるべきである。それに、アメリカももう選挙モードだ。ブッシュ政権もあと残り1年1ヶ月。(まだ、そんなにあるのか、とちょっとため息)まともな議論をして結論を出すまで、適当に流しておけば?ワシントンの人間だって、日本の給油活動を知っていた人なんてそうそういないくらいの扱いなんだから。あくまで給油であって、自衛隊派遣ではないのだから、そんな程度の扱いしか受けていない。それを、給油ごときでがたがたいうなど、みみっちいくらいに思えばいいことだ。(議会に予算権があるので、以前みたいにお金をどんどんつぎ込めなくて、しみったれたことを言っているのだろうが)どれだけアメリカが本気で欲しいのかというレベルで考えてみれば、今日米関係で話題になっているのは、北朝鮮問題と給油問題。北朝鮮についていえば、アメリカが北朝鮮のテロ指定をはずすかどうかの問題で、これはアメリカの意思次第。給油問題は、日本の意思次第。日本はアメリカにテロ指定をはずさないで欲しいと望み、アメリカは給油活動を続けて欲しいと望んでいる。となれば、双方がWin-Winの関係になるには、この二つの問題でバーターすればいい話。が、そういう話はアメリカ側からも全く提案されていない。ということは、ブッシュ政権の外交レガシーなるかどうかかかっている北朝鮮問題より、給油活動は重要性が低いということを意味する。そういう意味で行けば、日本ももう少し強気に、北朝鮮問題でバーターしようや、その意思がないんだったら、テロ特措法も鋭意努力するが保障の限りではない、とつっぱねてもいい気はするんだが。それを、福田内閣の至上命題だなんて、大げさな。どの道一度ならず何度でも、今後とも安保議論をしなきゃいけない場面はでてくるのだから、少しは正面から向き合ってみたら?