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テーマ:小説書きさん!!(605)
カテゴリ:作文
「月の水」
月 「地球く~ん。うっふん」(そばに来る) 地球「今日は何?ぼくに触れたら怒るからね」(飛びのく) 月 「やっだあ地球くんはー。ぼくにすごいものが見つかったのにその態度はないでしょー」(くねくねしてほほえむ) 地球「?何か見つかったの?」 月 「水だよ水。6億トンの水。氷という形でぼくのクレーターの下とかにあるのがわかったの。あんっ」 地球「それでなんでそんなにくねくねしてるの?」 月 「やっだあもうっ。地球くん、水があるってことはぼくも水の星ってことだよ。地球くんとお・な・じ。うふっ」 地球「なんだ、それで喜んでるんだ」 月 「なんだとは何だよう。この水はどこから来たのかなーってちょっと考えてみてよ」 地球「きみの場合は彗星からのものでしょ。そういう話なら聞いたよ」 月 「あんっ地球くんつまんないこと言わないでっ。ぼくの水はね、ジャイアントインパクトでもらった地球くんの水なんだからあっ。ああんっ」(地球をたたく) 地球「あっまたそれをネタに愛だの恋だのにむすびつけるつもりだな」(警戒のまなざし) 月 「地球くんの水の一部がぼくの体に入ってるなら、これほどうれしいことはないよっ。やっぱりふたりは一心同体なんだねっ。うふっ」 地球「ぼくの水とは限らないじゃない。テイアくんの水かもしれないし」 月 「ああんっ。どうして地球くんはぼくの気持ちをそぐようなことを言うのっ。テイアの水なんてっ。火星大のテイアに水なんかないよっ」 地球「火星くんにだって海があったんだから。テイアくんにだってあったよ。ぼくより量は少ないだろうけど。きみはぼくとテイアくんの物質が混ざり合って生まれたって言ったでしょ」 月 「あーんそれじゃつまんないつまんないーっ。ぼくは地球くんから生まれた地球くんの一部じゃなきゃやだ」 地球「だってテイアくんとぼくがぶつかってきみの元になる物質が飛び出したんだから。100%ぼくの物質できみが構成されてるはずがないじゃない」 月 「それがつまんないっていうんだようっ。ぼくがぼくの体の中に地球くんの水を閉じ込めてるって話ならすごくロマンチックだけど、テイアの水だとか、彗星の水だとか言われたら地球くんと関係ないからつまんないようっ」 地球「きみはどうしてもその水がぼくの水であってほしいわけだね」 月 「そうだよ。ぼくの愛の気持ちをわかってくれるなら、答えはひとつしかないでしょう。あんっ」 地球(ひたいを押さえて)「まいったなーきみには」 月 「ぼくに水があるから人類が基地を作りやすくなるでしょ。ぼく、地球くんと同じ生き物のいる星になれるんだー」 地球「そう簡単に人類は月面に住めないと思うよ」 月 「もうっ地球くん夢がないんだからあっ。あ、地球くん、ぼくも生き物のいる星になるのに嫉妬してるんでしょう」 地球「そんなことないよ」 月 「人類をひとり占めしたいんでしょ。あーいけないんだよそういうの」 地球「そんなこと考えてないよ。ただ最近宇宙開発の進みが遅いからさあ…」 月 「地球くんの人類がどんどんぼくの方に移住して、ぼくも地球くんと同じになるんだ。なんてステキなのっ。そのうち海もできてぼくは青く輝きだすよ」(うっとり) 地球「大気もないのにそれは無理だよ」 月 「あっぼくの気にしてること言った!地球くんいじわるだよ。ぼく小さくて大気を保てないんだから。コンプレックスなんだからねえっ」 地球「衛星は大気がない人が多いんだから気にしなくていいじゃないの」 月 「ぼくは早く地球くんみたいになりたいんだい」 地球「どうして?」 月 「地球くんと同じ青い海をもった星になりたいんだい。なにもかも地球くんと同じがいいんだいっ」 地球「ムチャを言う子だなあ…」 月 「地球くんと双子星って言われたいんだい」(地球にはりつこうとする) 地球「きみは…。なにもかもぼくと同じになったらきみの個性がなくなっちゃうじゃないの。もしそんなふうになったら名前も月じゃなくて地球パート2とかになっちゃうかもしれないよ」 月 「あっそれすごくいい!ぼくに地球くんの名がついたら最高じゃなーい」(抱きつく) 地球「まったく。自分の都合のいいふうにしか解釈しないんだから…」 おわり。(シリーズは続きます) 月に水のある話。アップがちょっと遅くなってしまいました。 それよりはやぶさが帰ってこれるそうで、うきうきしてます。感動。 惑星たちのアンケートは4月かな? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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