2008/03/05(水)06:13
テキサス州予備選挙とAfircan American Lives
始まりました、Texas Show Downとも言われる今日の予備選。
どこも記録塗り替えしそうな勢いの投票状態らしい。
投票所はすごい行列で今までこんなの見たことが無いって言う人ばかり。
私はこうなるのを予想していたので先週早めに帰宅した夫を追い立てて
Early Vote(日本だと不在者投票)へ行ってきて貰った。大正解。
投票所から帰ってきた夫は
「皆オバマに入れるぞーって顔してた(笑)」と言っていた。
並んでる時に「私はオバマに入れるのよ」と白人のおばちゃんに話しかけられて
「あっそうですか、私は共和党員なんで」と言ったら絶句したと言っていた(苦笑)
でも共和党員だってのにマケインには入れなかったらしい。
どうしたかって?誰に入れたとは言いませんが無効票になったことでしょう。
でも地元の裁判官や上院下院議員を決めるところにはきっちりと票を入れてきたとか。
TVのコマーシャルだけじゃ地元の選挙で誰に入れたらいいのか分からないので
私も夫もTalk Radioを聞いてどういう人が裁判官になるのか検事になるのかなどを
インタビューを通じて知ることが出来た。
大統領選挙も大事なんですが地元で議員を選んだり裁判官、検事などを選ぶのは
とても大切。それをイマイチ分かっていない人も多いのが現実だ。
まぁ、あーだこーだ私が言ったところで私に選挙権は無いんですが。
うちの夫のような黒人の保守派はマイノリティー中のマイノリティー。
民主党の黒人からはSell Outだのいろいろ言われる。
私も夫に「あなたってチョコレートかぶった白人だよねぇ」と言ったら
「それよく言われる」と言っていた。
先日PBSでやっていたAfrican American Livesを見て思った。
奴隷から開放されても差別から逃れることが出来ない生活を強いられ
黒人間で結婚することさえ法で認められなかった時代があり
選挙権など夢のような時代があった。
無実の罪を着せられ死んでいった人の何と多いことか。
白人のオーナーにレイプされた黒人女性の何と多かったことか。
このような歴史を得て現在の自分がいるのに
自分の先祖が日々戦って得ることの出来た様々な権利を
溝に捨てるような行いをしている黒人の何と多いこと。
非常に悲しくなってしまった。
見終わって早速アマゾンでPart1とPart2のDVDを購入する手続きをとった。
うちの娘達が大きくなったら絶対に見て欲しいと思う。
黒人の人達の中で必ず聞かれるのが「うちにはネイティブ・インディアン(原住民)
の血が流れているのよ」ということ。
うちの夫の祖母もネイティブ・インディアンであると聞いているし
写真を見るとそのような髪型に鼻の形なので事実だと思っているのだが
この番組を見ていたら黒人にネイティブ・インディアンの血が入っている例は
ごく僅かな確立でしか無いんだそうです。
白人にレイプされて出来た子供、という事実を隠すために
ネイティブ・インディアンの血が入っているというように
話を作ったというのが推測の一例。
多くの人が実際にどんなことがあったのかを語らずに来たので
歴史をさかのぼる事が出来るのも限りがあるようですが
今は自分と周囲の家族のDNAを採取すれば
自分の先祖がアフリカのどこから来たか、白人の血がどれだけ
入っているのかなどを鑑定で知ることが出来る。
このAfrican American Livesを見て現代の科学の力は凄いと改めて思ったのと
夫の先祖がどこから来たのか知りたいなぁと思った。
さて、選挙の話に戻る。
ラジオで聴いたのだが今回の選挙に言えるのはオバマとヒラリーには
明らかな違いがあるということ。
私の好きなラジオのトークショーホストがヒラリーとオバマに
インタビューを申し込んだ時にヒラリー陣営は2時間ぐらいウダウダ言ってきて
インタビューどころか話が全く進まなかったそうだが
オバマ陣営に話を通したらパッパッと手際良く話が進んでインタビューも
すんなりと出来たということだ。
夕方の5時。
多くの人が家路に着くまでの時間ラジオを聴く。
音楽チャンネルを聴く若者も多いだろうがTalk RadioというAM系の
トークショーを聞く人も多い。
特にここはテキサス。保守派が圧倒的に多いのでこういった番組の
視聴率はバカにならないのだ。
こういうところでアピールすべきなヒラリーなのに
組織がまとまっていないのを逆に露呈した形になってしまい
逆にオバマは保守派のトークショーホストにオバマ陣営の統率力の良さを
絶賛されていた。
カリスマ性があるオバマだがこれが一時的なブームで終わるのを
危惧する声も聞かれる。
確かに熱狂的なファンは多い。
私の姑もオバマサポーターなのだが彼が何をやろうとしているのかを
よく分かっていない。私が質問しても義母は答えられないので
ブームに乗っかっているだけのような印象を受けてしまう。
誰が大統領にふさわしいか、ではなくて
黒人だから、女性だから、はたまた最終選挙でマケインと対決したら
ヒラリーのが勝ちそうだから入れるとか全然選挙の本質とかけ離れている
人が結構多いので驚くばかりだ。
保守派というにはマケインはあまりにもリベラル過ぎると
共和党の中のマケイン嫌いは何気に多くて
「マケインに入れるぐらいならヒラリーへ入れる」と言う人の声をたくさん聴いた。
投票に行かないと言う人も多いのではないだろうか。
アメリカというのは自分の落とし前は自分でつけるというのを
信条にして歴史を刻んできたという印象があるのだが
ここ数年のサブプライムの問題も含めて自己の責任を周りに
償ってもらうじゃないが自分以外の所へ問題を責任転嫁している気がするのは
私だけだろうか?
サブプライムで家を買うような人達はそもそも家を買えるような
状況ではなかった。
でも貸し手(銀行やローン会社)がそこへうまい話を持っていって
払えないローンを借りてしまって自分で自分の首を絞める結果となってしまう。
もちろん貸し手も悪いのだがまず自分が反省すべきだろう。
クレジットカードローンに苦しむアメリカ国民。
お金が無いのに買物を止めない。
低所得者専用のアパートが近所にある。
所得が無いはずなのに駐車場にはずらっとBMWやジャガーが並ぶ。
おかしい、何かがおかしい。
年収が1,000万円以上もあるのに健康保険を持っていない人。
子供達には何でも買い与えてるくせに歯医者の検診には行かれない。
国民保険は素晴らしい。
でも国が税金を徴収して国民へ与えたところで今の問題は解決しないと思う。
生活保護を受ける人にはMedicare/Medicaidがある。
食べ物はフードスタンプがもらえる。
でも自分が週末にパーティに行くお金はあるのに病院へ行くお金は無い。
モラルの無い人間にお金や保険を与えても意味は無い。
民間でやってきたものを国に管理させるのは危険極まりない。
民間の保険会社に料金を下げさせて製薬会社に値段を下げさせればいい。
でもそこへ政治の思惑が絡んでくるとそうもいかない。
私は戦争には反対だ。
無益な戦いほど愚かなものは無い。
でも国を守るというのは大事なことだ。
自分を自分で守る権利を主張するアメリカだからこそ銃は無くならない。
アメリカへ来ていろいろな物を見聞きして自分でも驚くほど
物の見方が変わったと思う。
今度数年ぶりで日本へ帰る。
久々の日本でどんな感じ方をするのだろうか?
非常に楽しみだ。