事故からの4日
娘の事故から4日目の今日、この間準備に苦しんでいた講演会が終わった。ここのところ、時間に余裕があったので、ゆっくり準備をしていた講演会。それが娘の事故から、何にもできなくなり、退院した後も、病院や警察や保険会社との連絡や行き来で、ほとんど仕事にならない。今回は普段講演としてとりあげない部分がテーマだったので、講演の組み立ても完成していないし、完成してから実際話してみて時間の中に収めていかなくてはならない。 あまりにも細切れの時間しかとれないなかで、話してみて時間を計ったり、集中して組み立てなおしたりする事ができない。仕方のないことだとわかっていながら、一切が片付いた夜に帰ってきて、「どうだった?」「明日も医者に行くの?」と聞いてくる夫に、妙に当たってしまう。こんなことしたら、娘は自分が事故にあって迷惑をかけているって思ってしまう。そんな気持ちにさせちゃいけない・・・と思いながら、夜の片づけが済むと、客間にこもって戸を閉めてほとんど朝まであれこれ組み立てなおす毎日だった。事故の衝撃で前歯が2本、少し動いたようなので、歯医者にも通う。昨日行って、今日も私の講演が終わった午後、連れて行くことになっていたら、今朝娘が「私、歩いて行くからいいよ。」と言う。 「ごめん、今日の午後からは大丈夫だから、あんたのせいじゃないから・・・」というのが精一杯。昨日の診察で、神経も痛めているので、2本とも差し歯にしないとだめだ・・・と言われた、そのショックもあるだろうに、聞いてやる事ができない。やっと今日は、せいせいした気持ちで歯医者にいって、「部活の話をして、これからの治療の経過と楽器を吹けるかどうかを相談してごらん。」と言って、診察室へ送り出した。戻ってきたら、半泣き。 もうクラリネットは吹けないとでも言われたのかと思って、車の中で聞いてみると、自分なりに精一杯相談したのに、「そんなことはやってみなくちゃわからない」と言う感じでまともに受けてもらえなかったらしい。車の中でオイオイと泣き出した。娘にとって、部活に戻れることが最大の目標で、支えなのだ。「明日、お母さんもいっしょにもう一度聞いてみて、それでも迷惑そうだったら病院変えてもいいんだよ。」と言いつつ、昨日から辛かったんだろうなあ、と思うと、ゆとりのなかった自分が悔やまれる。暇になってからじゃ遅い、今じゃなくちゃダメという時がある。今日まで、私は話しかけられる雰囲気じゃあなかっただろう。 ごめんね。