破綻消費者金融2件目の契約に挑みながらも、何処か少しだけ、心の中に後ろめたさは残っていた。当時の消費者金融に無人契約機は無く、店員さんと面と向かって借り入れの申し込みをしなければ成らなかった。 だが『アレジン』を打ちたい一心で契約に踏み切ってしまう。一度契約が済みカードを発行して貰うと、 銀行で自分のお金を卸す作業と何ら変わり無い為か自分の金と錯覚してしまう。 その後も、金が無くなれば新規に契約を重ね、借金を増やして行った。最初の内は何処の消費者金融も 10万円までしか貸してくれず直にカードは使えなくなったが、それでも金利だけは期日までに入金していた為、 ある日サラ金から一本の電話が掛かる・・・ 『●●様いつも大変お世話になっておりますアコ●ですが』 『この度お客様との契約変更(増額)が可能に成りましたのでお知らせさせて頂きます』 『宜しければ現時点で他社様に数件お借り入れが見受けられますが・・・ この機会に当社で一本化なさっては如何でしょうか?』 ・・・・・私『是非!!お願いします!!』 この時、借り入れた金で他社を全て返済したがカードは返さなかった。しかも返済した全てのサラ金に 50万まで融資可能ですので『是非カードだけは持っておいて下さいよ♪』と言われ大切にカードだけは持っていた。 そしてこれが破綻を決定的にしてしまう。 先にも書いたが一度カードを作ってしまえば、銀行で金をおろす作業となんら変わり無い。 故、自分の金と錯覚してしまう… そして、その日から自分のお金か借金なのか解らなくなり、次第に金銭感覚が麻痺して行く。 車・携帯電話・腕時計等を筆頭に欲しい者は何でも購入した。 この時期からアレジンで勝てばその全てを飲食代や遊興費にあてがい金が無くなれば、 またサラ金からの借金を繰り返しカードが限度額になり使えなくなると新たにサラ金と契約を重ね金を工面していた。 しかし、そんな生活が長く続く筈も無く。1年半を過ぎた辺りから事態は急変する。 先ず、給料の手当てが異常に高い事を、本社経理部から指摘され、残業と休日出勤手当てに制限が付き始める。 それに併せて月収は一気に半減50万近く有った手取りが半分の25万程度になってしまう。 それでもアレジンや豪遊生活に制限をかける所か更に借金を重ね現状維持を貫こうとするが…ついに破綻の日が訪れる オラ 『あのぅ~♪融資申し込みたいのですが』 女性店員さん『ではコチラの用紙にご記入下さい』 数分後 『お客さん・・・チョット当店ではご融資出来ません・・・』 『他店にもかなり借り入れが有りますし・・・』 『ちょっともう厳しいんじゃないですか♪』 13軒目に行ったサラ金で借り入れを申し込んだところ借り入れを拒否されたのである。 この時初めて現実の世界に戻された。 当時23歳の私が最終的に抱えた借金の総額は 消費者金融 12件×50万 計600万 信販系ローン 車購入費 計300万 友人・先輩 計100万 併せて約1000万円の負債・・・ この時まだ事の重大さには気づいて居なかった。その後訪れる恐怖の取りたてと地獄が待ち受けてるとも知らずに… 【続く】 【目次へ戻る】 ジャンル別一覧
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