2016年11月を振り返る―像の文字化と文字の像化を通じた論理能力向上に向けて(5/5)
(5)2016年11月の学びを概括する 本稿は、2016年11月の学びを振り返ることで、文字を像化し、また像を文字化する訓練を通じて、論理能力を向上させるとともに、学んだ中身を深化させることを目的として、ここまで執筆してきたものである。 ここで改めて11月の学びを概括しておくとすると、今後の課題が明確になった学びであったといえるだろう。言語学を創出しようとすれば、そもそも人間とはどういう存在か、人間が社会を創って生活しているとはどういうことか、その中で労働の役割はどのようなものか、といった人間の本質的なあり方をしっかりと解明し掴んでおく必要がある。また、言語学史の研究についても、これまで十分解明できていなかった18世紀を中心とする言語起源論を深めていくとともに、ソシュール以降の言語学の主流であるチョムスキーの理論を批判的に検討していくという課題も明らかになった。こうした課題を解決していくためには、弁証法、認識論、論理学等の学び、一般教養の学びをしっかりと地道に実践していく必要があるし、全てのことを自分自身の問題として把握するという主体的な態度も必要になってくる。こうした過程で、自らの人間観を確固として打ち立て、その人間観をもとにして言語の歴史的な創出過程から筋を通した言語理論を創っていく必要があるだろう。 11月は他にも、他会員の論稿やレポートなどに全てコメントすることができた。ドイツ語の学びについては、11月も手を付けることができなかった。言語学創出のためにはドイツ語の学びは必須であるとの覚悟を持って取り組んでいく必要がある。 では、こうした学びを踏まえて、2016年12月の課題を以下に設定しておく。 小論執筆の学びについては、引き続き12/28第1稿締切のブログ掲載論文「一会員による『学城』第4号の感想」を執筆することが大きな課題となる。今月末の締め切りまでに、しっかりと形にしていきたい。合わせて、毎月の例会の報告レジュメの執筆も大きな課題である。論点への見解作成過程で振り返ったこの間の『哲学史』への学びを踏まえて、さらにコンパクトにまとめ直していきたいと思う。 言語学関連の学びに関しては、チョムスキー『生成文法の企て』を読むこととする。『デカルト派言語学』では変形生成文法が主題に置かれていたわけではなかったので、チョムスキーの理論が捉えきれなかった思いがあり、今回の著作でこの点をしっかりと押さえておきたい。また、合宿で発表する「言語学の構造を問う」に関して、当日の議論も含めて、しっかりと確認しておきたい。早々に振り返りを執筆し、言語若しくは言語学というものの像を大きく膨らませておきたい。 一般教養、弁証法、認識論の学びとしては、スカイプ学習会のために、本田克也他『看護のための「いのちの歴史」の物語』第12章~あとがきと、『日本近代文学の名作』読書会に向けて吉川英治『宮本武蔵(1)(2)』を読む。また、毎月の例会に向けて、これまでの例会報告を復習するとともに、南郷継正『武道哲学講義Ⅴ』も合わせて読む。また、今年の締めとして、三浦つとむ『弁証法はどういう科学か』も読むこととする。12月◆第1-2週(1-10日) ・『学城』第4号精読、小論執筆 ・チョムスキー『デカルト派言語学』 ・吉川英治『宮本武蔵(1)』 ・例会報告復習 ・振り返り執筆 ・論点への見解執筆◆第3週(11-17日) ・『学城』第4号精読、小論執筆 ・吉川英治『宮本武蔵(2)』 ・南郷継正『武道哲学講義Ⅴ』 ・例会報告レジュメ執筆 ・合宿振り返り執筆◆第4週(18-24日) ・『学城』第4号精読、小論執筆 ・本田克也他『看護のための「いのちの歴史」の物語』第12章~あとがき ・チョムスキー『生成文法の企て』 ・例会の感想執筆◆第5週(25-31日) ・『学城』第4号精読、小論執筆 ・スカイプ学習会(『いのちの歴史』)の振り返り ・三浦つとむ『弁証法はどういう科学か』◆随時 ・他の会員の小論等へのコメント◆毎日 ・中日新聞、社説(毎日新聞)、日経産業新聞、京都弁証法認識論研究会ブログ ・『関口・初等ドイツ語講座』(毎朝少しずつでも書く作業を行う)