2017年11月を振り返る―像の文字化と文字の像化を通じた論理能力向上に向けて(5/5)
(5)2017年11月の学びを概括する 本稿は、2017年11月の学びを振り返ることで、文字を像化し、また像を文字化する訓練を通じて、論理能力を向上させるとともに、学んだ中身を深化させることを目的として、ここまで執筆してきたものである。 ここで11月の学びを概括すると、学ぶ楽しさを再確認できた月であったといえるのではないかと思う。久々に執筆した論文である『新・社会とはどういうものか』では、認識ののぼりおりに注意しつつ、中学生にも分かるように執筆していったのだが、これが思いのほか楽しい。他会員の評価も上々で、執筆に向き合う姿勢が前向きになっていった。自論文の読み返しや『国語学史』では、言語学を志した時の純粋な思いで学びを楽しむことができた。小説を中心にした一般教養の学びも、純粋に読んでいて楽しい作品ばかりであった。カント『純粋理性批判』などのように、決して純粋に楽しいといえるものばかりでもないが、心の向きを前に前に、上に上にしていくことは、長い目で見れば重要なことで、それが11月の大きな成果であったといえるだろう。 さて、11月は、他会員の論稿やレポートなどにコメントすることがあまりできなかったが、新聞の社説や京都弁証法認識論研究会のブログなどについては毎日読み続けていくことができた。バスケットでは、ジャンプシュートの際、今までは手首の返しを中心に意識して取り組んでいたが、これだと特に疲れてきたときなどはダメで、肘から手首の上のボールまでを真っ直ぐリングに向けてあげていくこと、両足でバランスをしっかりと取って、重心も真っ直ぐ上にもっていくよう意識する必要があることなどが分かってきた。相手の速い動きには正直、足がついていかない場面も多々あったので、南郷上達論をしっかりと学びつつ、それを実践していく必要があると感じた。どこかで、ジャングルジムの中での上下左右の動きの重要性が説かれていたように思うので、これも内容を把握してしっかりと実践していこう。 では、こうした学びを踏まえて、2017年12月の課題を以下に設定しておく。 小論執筆の学びについては、『新・社会とはどういうものか』第1部第1章の第2稿を執筆することと、機関誌掲載用論稿「なぜ科学的言語学体系の創出が必要か」第2稿も執筆して、合宿でしっかりと検討できるように準備しておく必要がある。また、例会の報告レジュメの担当にもなっているので、この準備も進めていく。 言語学関連の学びに関しては、宇田亮一『吉本隆明「言語にとって美とはなにか」の読み方』を読んでいくこととする。時枝誠記『国語学史』の解説では、この吉本さんの主体的表現と客体的表現との区別を段階的に捉える発想や、三浦さんの言語と絵画の表現としての共通性の指摘について、なぜか否定的な見解が述べられていたが、人類の認識の発展のあり方の1つとして、しっかりと吉本さん(や三浦さん)の思想を把握すべく取り組んでいきたい。 一般教養、弁証法、認識論の学びとしては、『日本近代文学の名作』読書会に向けて坂口安吾『堕落論』、『教祖の文学』を読んでいく。また、南郷継正『哲学・論理学原論』、池井戸潤『七つの会議』、『鉄の骨』も読みたい。12月◆第1-2週(1-9日) ・池井戸潤『七つの会議』 ・池井戸潤『鉄の骨』 ・『新・社会とはどういうものか』第1部第1章第2稿執筆 ・振り返り執筆 ・論点への見解執筆 ・例会報告レジュメ執筆◆第3週(10-16日) ・南郷継正『哲学・論理学原論』 ・坂口安吾『堕落論』 ・『新・社会とはどういうものか』第1部第1章第2稿執筆 ・「なぜ科学的言語学体系の創出が必要か」第2稿執筆 ・例会感想執筆◆第4週(17-23日) ・南郷継正『哲学・論理学原論』 ・宇田亮一『吉本隆明「言語にとって美とはなにか」の読み方』 ・坂口安吾『教祖の文学』 ・「なぜ科学的言語学体系の創出が必要か」第2稿執筆◆第5-6週(24-31日) ・宇田亮一『吉本隆明「言語にとって美とはなにか」の読み方』 ・カント『純粋理性批判』 ・論点の提示 ・「なぜ科学的言語学体系の創出が必要か」第2稿執筆 ・スカイプ学習会(『日本近代文学の名作』)の振り返り◆随時 ・他の会員の小論等へのコメント ・過去の自らのブログ掲載論文を読む◆毎日 ・中日新聞、社説(毎日新聞)、日経産業新聞、京都弁証法認識論研究会ブログ