ゆきよきの言語学・夏目漱石・日本史

2013/12/23(月)22:36

現代の言語道具説30「仕事をサボタージュする」

言語学(310)

 中日新聞に連載中の町田健氏「現代日本誤百科」批判の30回目の今回は、「仕事をサボタージュする」という表現に関してみていこう。  町田氏は「「サボタージュ」は、労働者が団結して仕事の能率を下げること」だとして、この表現では「同語反復になる」と主張する。また、「サボタージュ」は「一つの行為ではなく、さまざまな種類の行為の集合体だから」「「する」を付けることはできない」という。「ストライキする」や「革命する」も同様に言えないが、「「サボる」は「怠ける」と似た意味を表し「仕事をサボる」ということはできる」というのである。  「同語反復になる」というのは、元々の意味に照らせばそうなると言うにすぎず、言語の発展過程を全く捉えることができていない。また、「「する」を付けることはできない」ということも根拠が意味不明である。「「サボる」は「怠ける」と似た意味を表」すのなら、「サボタージュ」も「怠ける」と似た意味を表すようになってきているのであるから、「仕事をサボタージュする」と言っても全く問題なく、意味もスムーズに通じるのである。

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