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灰色猫のはいねの生活

灰色猫のはいねの生活

その4

次の日の朝。
日曜日なので学校はお休みです。由記ちゃんはほんのちょっぴり寝坊をします。
顔を洗って台所の窓からのぞいて見ると、みつは当たり前のように裏庭に置かれた犬小屋に収まっています。
玄関先には散歩用の引きづなや大きな袋に入ったえさが所せましと置かれていました。
「こうして見たらずっと飼っていたみたい。」
由記ちゃんは着替えて外に出てみました。
近付くと、みつは尻尾をふりながらのそのそと小屋から出て来ます。
尻尾をふるのは喜んでいる証拠。
そう言い聞かせて由記ちゃんは恐る恐る背をなでてみました。
かたい毛がざわりと手に当たります。
猫や兎とは全く違う毛並み。
そうして、犬にさわるのは生まれて初めてだと由記ちゃんは気付いたのです。
「まるで新種の生き物みたい。」
なでられてうれしいのか、みつはまん丸な瞳を由記ちゃんに向けて、はっはっと舌を出しています。
軽く首を傾げたその姿は、由記ちゃんには可愛いく見えました。
由記ちゃんの同級生はみんな、何かしら動物を飼っています。
7人とも農家の子供で、犬や猫はあたりまえ。
迷って飼い主の見つからなかったインコや、熱帯魚をたくさん飼っている子もいます。
真実ちゃんのところのたくさんの牛は、飼っているのではないけれど。
由記ちゃんの一番の仲良しの大介くんは白いふかふかした犬を飼っていて、いろいろな話を聞かせてくれました。
「小さいころから世話してるから、すっごく可愛いよ。それに頭良いんだ。きちんと言うこときくし。」
大介くんが楽しそうに言うので、由記ちゃんも生まれて初めての一大決心をしたのです。
「私は犬も好きになるの。」
またもや7人の同級生は口をそろえてこう言いました。
「本当~?」
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