“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

2010/07/20(火)00:36

CH10 時間をつり出す力

経営者のための連続コラム(1657)

 私は会員を募り、 会員向けにビデオマガジンを販売しています。  始めたきっかけは、コンサルティングをしていて相談される多くの店が 知識や経験など「経営の下地が不足しているな」と感じたからです。  当時まだ、30代と若かった私は、 「繁盛しないのは勉強し、視野を広げ、しっかり戦略を練らないからだ」 と、決め付け、そのビデオマガジン「夢―商通信」をスタートしました。  2005年くらいは、情報商材を売ることが旬だったこともあり、 「勉強して売上アップ!」というスローガンを掲げた夢―商通信の会員は 一気に増え、200人を裕に超えました。  しかし、3年目から一気に減少に転じ、半分以下まで落ちてしまいました。  「何が違うのかな?」そう思った私は、退会されるかたに理由を聞くようにしました。  やめる人がおっしゃる理由の多くは 「ビデオを見る時間がない」と「経費削減」のふたつ に集約されました。  面白かったのは、 「ビデオの内容が良くない」「ビデオが約にたたない」という答えが ほとんど無かったことです。  とは言え、 「ビデオの内容が良くない」「ビデオが約にたたない」とは 私や事務所のスタッフに言いにくいのかも知れないと思い、 まず、ビデオの内容を見直すことにしました。  内容を見直すにあたり、「ではどういう人が継続してくれているか」を 調べてみました。 そうすると、 お付き合いでとってくれている人、 小さな個人店、地方の繁盛店、 勉強して仮説をたてて常に考えている人 の三つパターンがあることがわかりました。  最初のお付き合いという人は私が社交的な人間ですから、 私を気に入ってくれてとっていただいているのだと思います。 そういう方の店や事務所を訪れると、 届いたビデオが山積みになっている場合もありました。 まあ、これはこれでいいかなと思うことにしました。  二つ目の「小さな個人店」は売上のアップダウンは景気でなく、 自分次第だと気づいている人が多かったです。 そんなときに映像を見て気分を一新したり、 気になった店を訪問したりして気持ちをリフレッシュしていました。 月商の少ない個人店になぜ利用が多かったのかというと、 ラーメン店、焼き鳥店、ショットバーなど人件費が少ない店なので、 月謝一万円は高くなかったようです。 むしろ、孤独な店ゆえ、電話相談などもできるということで 入会いただいていることがわかりました。  最後の「勉強して仮説をたてて常に考えている人」は、 ビデオを引き出しのひとつと考え長期的な視点で考えようとしています。 仮設を立てるにあたって情報のストックはそれなりに意味深いようです。  逆にやめられるかたは、「時間がない」という言葉が示すように、 手っ取り早く売上アップに結びつくテクニックを求めている人だったのです。  このようなことがわかったので、 「勉強して売り上げアップしよう」というスローガンを下げて、 「長く愛される店を作るための引き出し作り」に変更しました。 ターゲットもお付き合いでとってくれている人、 小さな個人店、地方の繁盛店、 勉強して仮説をたてて常に考えている人の三つとして、 業績をすぐに改善したい人にはその人向けのサポートを用意することにしました。  私は「時間がない」という人は一般論としてお金を稼ぎ出す力が弱い傾向が強く、 結果繁盛する人が少ないことがないことがわかり始めました。 「時間は作り出すもの」であり、 お客様のために、今やっている仕事を見直し効率をアップし、 浮いた時間をさらに喜んでいるもらうために使うことができなければ、 お客様が感動することは難しいでしょう。 つまり、時間を作りだすということは感動の原資なのです。  「時間がない」という人にいかに「時間を作ろう」という意識を持たせるか、 そのためには可能性あるお客様に関しては、 私がすぐ結果をなんらかの形で出してあげて、 そして、時間を作るという方向に向けないといけないことに気づいたのです。

続きを読む

このブログでよく読まれている記事

もっと見る

総合記事ランキング

もっと見る