店舗の導線
導線とは人の動きです。店を運営するにはこの導線のデザインは非常に重要で、従業員同士、従業員とお客様、お客様同士ぶつかりあって、トラブルになったり、効率を著しく悪くしたりしないように、契約した物件の個々の事情を斟酌して導線を考えなければなりません。
店の導線は大きくわけると店舗のスタッフの導線と、お客様の導線、そして業者さんが搬入するときに通るため導線の三つに分けられます。
前から順に店舗導線、客導線、搬入導線といいます。
店舗導線には厨房で料理を作りサービススタッフがお客様に提供するまでの導線、お客様が食べ終わったお皿を下げる(バッシングといいます)導線があります。
客導線には、来店からテーブルに着くまでの導線、トトイレ、化粧室の往復の動き、食事が終わってレジまでの導線などがあります。
導線の基本
導線を設計するときの基本は、
1 なるべく一方方向に流れるようにすること
2 シンプルであること
3 店舗導線、客導線、搬入導線がなるべくバッティングしないようにすること
です。
例えば、入り口やトイレ付近のところに厨房から提供される料理の出口を作りますと、店内に入る人やトイレに行く人とぶつかり、思わぬトラブルになることがあります。
提供する料理と下げた食器の戻る場所が同じで、人がぶつかったりスムーズに運営できなかったりして、お客様を案内できなかったり、料理の提供が遅くなったりしているケースもよくみかけます。料理の出し口と食器の下げ口は特に注意が必要です。
また、入り口の客だまりのスペースもごったがえすことが多いため、
1お客様がどのように受け付けをするのか
2どこで順番おまちいただくのか
などをしっかり考えておく必要があります。
導線設計の実際
店舗の機能は、待合スペース、レジスペース、客席、トイレ、パントリー(厨房と客席の中間にある配膳やドリンクの準備をするスペース)、厨房、ストレージ(倉庫など)、事務スペース、更衣室、休憩所があります。
店の出店候補地が決まったら、まず、これらの機能を導線がかち合わないように考えてざっくりとフリーハンドで店舗の平面図にレイアウトしてみます。
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