カテゴリ:経営者のための連続コラム
運営水準の構築でもお話ししましたように、サービスの段階は店によって異なり、「不満がない」「一歩先を行く」「感動」の三段階があります。
「不満がない」とは、店の選択肢がない段階はお客様が黙っていてもやってくるので、特別なサービスをしなくても、お客様に無事、不満なく帰っていただければ、お客様はその店に来店するでしょう。 この場合、サービスをシンプルにして誰にでもできるようにして、マニュアル化します。 その上で、マニュアルによる教育・訓練を行い、他店との差別化をはかります。 しかし、店が多くなり、お客様が好きなように店選びができるようになると、お客様に気にいって、好かれるようなサービスを行うことができなければ、リピーターを獲得することはできません。 お客様に気にいっていただくために、お客様に密着して一歩先に接客をします。 この一歩先の接客からは従来のマニュアルでは対応できなくなります。 したがって、方法の転換が迫られるわけです。 多くの高級店では一歩先に接客をするために、接客台本に基づくロールプレイングを行っています。 接客台本とは、店を劇に見立てて、最高のサービスマンとお客様のシチュエーションごとの舞台進行を書いた脚本です。 その脚本をもとに、訓練やディスカッションを繰り返し、一歩先をゆく接客を目指します。 ロールプレイングを定期的に繰り返し、日々、当たり前のサービスを積み重ね営業していると、お客様に突発的なできごとがあったときに素晴らしい対応をすることができます。もちろん、サービスをするスタッフが瞬時に自己判断をして思わぬ対応をするのですが、これがお客様の感動をよぶのです。 感動は、心、技、チームワークが三位一体になったサービスの極みです。 ロールプレイングと日々の営業の積み重ねで実った果実が感動です。 このサービスの根幹をなすのが、しつけ教育、訓練の三つです。 しつけとは、あたりまえのことをあたりまえにやるために、日常のルーチーン業務の一瞬、一瞬を大切に行う習慣をつける作業です。このしつけは、仕事をしているときだけでなく、「履物を揃える」、「ゴミを拾う」「トイレを掃除する」のような日常生活を大切に生きることにつながります。 日々、大切に生きない人間は、人への気づきや思いやりなどできないのです。 したがって、しつけは「なぜ、そうするのか」からはじめないといけません。 続いてが、教育ですが、現状に甘んじるのは楽ですが、そうでなく将来の自分のために、一歩先に目を向けさせることです。したがって、将来を考えさせ、そのために何をすべきかを教えます。接客であれば、現状と違う何かをすることで、お客様に喜んでいただき、その結果自分にもたらされる奇跡を教えます。 訓練は、上記のふたつの中間です。 量稽古で自分の型を作り、自然にやろうとしていることができるようにするのです。 そのすべての入口になるのが、新人スタッフの教育です。 新人スタッフの教育をおろそかにする店は、差別化された運営水準を構築することはできません。 そして、その新人がやめない環境を作らねばなりません。 意識の高いハートあるスタッフが長期間いて高いスキルになったときに、店は大きく変わります。 それでは、運営水準の差別化をするための入口、新人へのトレーニングのポイントからみてみましょう。 続く お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.01.26 19:34:00
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