“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

2012/06/05(火)00:33

悪の心、善の心

経営者のための連続コラム(1654)

 悪の心とは、「自分だけ得すればいい」「わからなけれればいい」「法には触れないんだから」といった自己中心的な心です。 この悪の心は、多くの人に現れがちな人間の弱い面といえるでしょう。 例えば、今日の食事もままならなければ、隙のある商店からの盗みを働くこともあるでしょうし、競争の環境下で勝敗がかかっているときも、追い込まれれば卑怯な手を使うかもしれません。 数字に追われ必死になっているとき、切羽詰ってよからぬことをしてしまうかもしれません。仕事と割り切り、お金を稼ぐためと割り切っていれば、ビジネス社会ではそんなことは日常茶飯事にできてしまうかもしれません。  善の心とは、相手との継続的なつきあいを前提としてことに立脚し、相手を思いやり、社会を思いやることです。人間関係がうまくいくので、善の心のウエイトが多くを占めている人間はとても幸せです。 逆に、悪の心が強いお客様と接するのは大変です。あなたがサービス業だったらわかると思います。できれば避けたいです。このバスローブを持ち帰る人はまさに悪の心に支配されているのです。  つまり、その2つのいずれかの心が作用して、上記の2つのタイプのキャラクターとなって現れ、行動をつくるのです。 この2つの心のバランスは人それぞれで、時間的余裕度、金銭的余裕度、育った環境になどによる価値観で大きく変わります。 マニュアルや社内ルールが、性悪説に則って作られているケースをみかけることがよくありますが、それは多くの人が悪の心の怖さを認識しているからなのです。  私がなぜそう思うのかというと、それは私自身がそうであることに気づいたからです。 私は、私の生い立ちの中から社会における反面教師であることに気付きました。第1章で私にこれまであった数々のことをお話したのはこのためです。  私はコンサルタントとして店の経営のお手伝いをしていますが、「うちの店はいいお客さんが来ないんですよ」「最近はたくさんお金を使ってくれないんですよ」という店はだいたい売上げが悪く、当然、収益も悪いです。なぜならば、悪の心に支配されつつあるからです。 一般的にバスローブを持って帰られてしまう店の多くは、「うちの店はいいお客さんが来ないんですよ」と思うようになり、盗まれないことに躍起になります。

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