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“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

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2012.07.04
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 今日は戦後の外食産業の進展について見てみましょう。
 戦後からの復興を経て、外食産業は1970年から大きな成長期に入りました。
 1970年というと大阪万博があった年です。大阪万博のあと、国民の興味が外食というレジャーに向かいました。
 また、外資自由化によって、1970年ごろから外国の企業が合弁で日本に参入する事例が続々と増えて行きます。
まず、1970年に大阪万博の会場の中にケンタッキーフライドチキンがオープンしました。1セット(フライドチキン、ロールパン、ドリンク)が350円で、平日の客数4600人、日商160万円という脅威の売上げを記録しました。銀座の三越に出店したマクドナルドの日本上陸も、立ち食いという社会現象を引き起こしました。
このように多くのアメリカ系企業が参入して、アメリカの外食企業の先進的なノウハウが流入しました。
そして、モータリーゼーションの急速な普及があり、駅前や繁華街に集中していた出店が郊外ロードサイドでの出店を可能にしていきました。ここに、アメリカのロードサイドマーケットに倣ったファミリーレストランが続々と誕生していきました。 
 1974年の第1次石油ショックで、それまで戦後復興などで経済成長が続いた日本も多くの産業が破綻し構造不況に陥りました。それによって、大企業が新規採用の抑制、資金調達の方法を直接市場に求めるようになりました。
外食産業は、それまでは「水商売」とみなされていましたが、外食の新しい提案をして急成長しているファストフード、ファミリーレストランがレジャーとしての外食を切り開く「ベンチャー」として注目されるようになります。

1986年に男女雇用機会均等法の制定により、女性の社会進出が進みます。同時に家事時間が大幅に短縮しました。それまでの家庭内の調理時間は2時間くらいありましたが、今日15分まで短縮しました。それによって、家庭内の食事を作る作業を外注する流れ(食の外部化)が進んでいきます。
 スーパーマーケットなどで素材を買ってきて、家庭内で調理を行うことを「内食」と言います。一方で「食の外部化」とは、外に出かけてレストランなどで食べること(外食)と、このころから増えはじめた調理済み食品や半調理済み食品を買ってきて家庭で食べること(中食)を指します。要するに、どこかで誰かがつくったものを買って食べるということです。
 食の外部化は、サラリーマンの弁当を外食でのランチに切り替えることからはじまりました。飲食店内でのランチは供給不足の様相を呈するようになり、ランチのテイクアウトが発展していきました。コンビニでのメニューが充実し、ランチタイムに一斉に行列ができる様子も定着するようになりました。

 1990年以降、この食の外部化は日常食をターゲットとするチェーンの急成長とともに、急速に進みました。その結果、外食は気軽で日常的なものとなりました。1997年には外食産業の市場規模は29兆702億円というピークを迎えます。
ただし、身近になったために、お客様は遠くに食事にいかなくてもよくなりました。そのために、要するに商圏が狭くなりました。移動しないことに慣れてしまうと、遠くに行かなくなります。そして、店探しをしなくなります。
そうなると店からお客様への積極的かつ戦略的なアプローチが重要になります。
 それを物語るように口コミ主体だった「広告を入れたことがない」「宣伝をしたことがない」という店の多くが売上不振になっています。
また、クーポンマガジンやインターネット情報の普及で店探しが簡単で便利になったことが、消費者の外食行動を劇的に変化させました。
店探しが便利になることによって、お客様の店選びは慎重になります。失敗しないことの重要度が飛躍的に増していきます。


次回に続く





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Last updated  2012.07.05 01:09:35


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