カテゴリ:経営者のための連続コラム
おいしさの構成要素
“おいしさ”というは実は、個人それぞれの価値観です。そして、それぞれの感じるおいしさは、その人の育った環境や、食習慣という生活習慣に依存します。 以前も触れましたが、多様な食物との接触がなければ、「おいしい」と感じるストライクゾーンは狭くなります。 おいしさの構造を図にしてみましたので、下記の図をご覧下さい。 おいしさには食欲を刺激する要素と後天的な価値観により感じる要素があります。 まずは、動物として満腹中枢を刺激するおいしさです。 これは、人間が動物である故に、誰にでも根にはあります。 満腹中枢を満たす要素は動物として要素ですので私は“餌”と表現しております。 ・胃の急激な充足(だから汁物がいい) ・ナトリウムの摂取による血圧上昇 ・糖の摂取による血糖値の上昇 ・咀嚼 そして、人間の成長にしたがい、人との食文化との出会い、つきあいを通して、後天的に自動車のオプションのように“おいしさのバリエーション”として付け加えられていくと考えます。 従って、食通が言うようなおいしさがわかる人はいません。 食通が言う味が分かる人はほとんどいないのです。 正確には「最初から味のわかる人はいない」のです。 味がわかるために重要なのが顧客教育です。 その前に家庭教育があるといいのですが、教育できる家庭はほとんどないので難しいでしょう。 まず、おいしさの付け加えられるおいしさのオプションは、見た目のインパクト、特定のグルメ食材、マスコミの情報、有名シェフ、有名店。 見た目のインパクトはデカメニュー、ありえない食器、目の前で仕上げるなどです。 料理技術の差、食材の品種識別などは最上位にあり、非常に難しいです。 というわけで、私のコンサルティングの最終目標は、品種指定できる顧客教育をすることにしています。 見た目のインパクトでつかみ、接触を通してお客様と信頼関係を築いて、二種対比、三種対比など顧客教育のメソッドを通してお客様が、「○○お願いします」とすることです。 余談として、「おいしさの8割は見た目です」という人がいます。 しかし、それは、見た目が大切だというオプションの教育を受けたからです。 そうでない人にとっては見た目は何ら価値がない場合があります。 先日テレビを見ていましたら、料理研究家や有名シェフが大手牛丼チェーンのメニューを批評していました。しかし、その話を聞いていて「昼の30分弱の時間で労働者が食べるランチでお客様が求めている要素は、彼らが考えるおいしさとはかけはなれているな」と思いました。 このズレこそ“おいしい”= 繁盛とはいかない理由なのですが、おいしさの設定は経営的に重要な戦略事項です。 大久保一彦ファンクラブ会報「四方よし通信」3月号より 大久保一彦の本 【中古】 行列ができる店はどこが違うのか 飲食店の心理学 ちくま新書/大久保一彦【著】 【中古】afb お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2022.03.31 10:10:48
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