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“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

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2017.08.15
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カテゴリ:産地・生産者訪問
《根生姜の80%を産する高知》生姜で70億の株式会社あさの社訪問
 “飲食店の勉強代行業”の大久保一彦は高知に出没しております。
今日は校長のお盆休みを利用して、“新橋水産アカデミー”の長山校長と事務局長の私で産地にて勉強をしております。

 まず、「株式会社あさの」の本社を訪問し、生姜の勉強します。




まずはスライドを使って生姜について勉強します。

生姜はショウガ科の多年草で、インドからマレー半島周辺の熱帯アジア原産とされています。


そこから紀元前にヨーロッパや中国などに伝わり、日本へはその後中国より、稲作などと同時期に渡来して、食用・薬用として3世紀頃には栽培されていたようです。ちなみに、当時の生姜の品種は小しょうがや中しょうがで、現在栽培されている大しょうがは明治時代に入ってから、中国から伝えられたようです。。(箱根西麓野菜などの地場野菜の流通を推進している三島青果株式会社HPより



 生姜は小生姜・中生姜・大生姜に分類できます。
 小生姜は、「谷中生姜」を代表に大きくならない品種で繊維が少ない生姜です。

他にはダイエットで注目された、愛知や岐阜の「きんとき」などがあります。

日本では、古来より「小しょうが」が盛んに栽培されていて、「根しょうが」といえばそれらのことを指すのが一般的でしたが、明治時代以降栽培のしやすい「大しょうが」が中国などから導入されてからは、「大しょうが」が一般的になりました。(箱根西麓野菜などの地場野菜の流通を推進している三島青果株式会社HPより
ちなみに、今回訪問している「あさの」で扱うハウスの新生姜は大きくなる前に早穫りしているそうです。

 中生姜は中国の生姜で、黄色が強い生姜です。味わいとしては、辛みが強く、アントシアニンを含まないので、後で実験しますが、酸を加えてもピンク色になりません。市場で人気がある『黄金の里』はこの中国の種を、やはり高知の坂田信夫商店(浅野社長の遠縁が創業らしい)がバイオテクノロジーにより品種改良を行ったもの坂田信夫商店HP)だそうですブランド化されてますので、市場でこれを求める人が多いです。特徴は在来種よりも香り・辛味が共に多く、黄金色をしています。
需要のある黄金ですが、単位あたりの収量が少なく、根が強く張るため収穫が大変で、大生姜の倍の人工がかかるという難点があり、新たな作付けを農家がしたがらないという面があるそうです。

 大生姜は、先に触れましたように、明治以降日本で主に栽培されれている種芋で、一般的な根しょうがとして販売されているものです。高知では「土佐一」という呼称のもや、カンボジアから来た「カンボ」やインドネシアの種もこちらにあたります。
根しょうがの呼称名は地域などによって異なり、「大生姜」「ひね生姜」「土生姜」「近江生姜」などと様々に呼ばれています。。(箱根西麓野菜などの地場野菜の流通を推進している三島青果株式会社HPより


 さて、続いては生姜の栽培についてレクチャーを受けましょう。



 生姜の種芋800kgから4t(不作で3t~5tは可能で、豊作で6t)の生姜ができます。
生姜の生育には大量のきれいな水が必要で、高知には四万十川、仁淀川、物部川があり、これら清流で育てられます。浅野社は四万十川流域のものが多いです。

 ハウスの新生姜は12月植え付けで6月に収穫します。
路地ものは6月に種芋の植え付けをして、10月から11月いっぱいくらいで収穫をします。
土づくりが1月くらいから始まるので、ほぼ一年かかり、同じ圃場であれば一年一作になります。

 路地ものは、1月に堆肥を入れ畝をつくり、土づくりを始めます。
前年病気が出た圃場は病気が出やすいので、圃場選びが大切です。
以前は、病気の防止のため臭化メチルガス(病気を殺し、除草効果がある)を使用して土壌消毒をしていてかなりの効果がありましが、10年くらい前に温暖化につながるということで京都議定書で使用禁止になり、病気を防ぐ農薬が無くなり、非常に手間がかかるようになりました。
そのため、新規の作付け面積が増えなくなりました。
 4月になると、畝の中に溝を切っていきます。溝は縦と横に切るふたつの方法があります。


縦植えの様子

縦に切ると生産性が高いです。
逆に、横に溝を切ると作業は大変ですが、病気が出ると、その部分で阻止することができます。
一反部(10畝=300坪)に150g~200gの種芋800kg埋めることができます。

 種芋を植えたら、早く芽を出せるために、上に不織布を敷きます。
ゴールデンウイークの後に、不織布をどけます。

 続いて、雑草の防止、保湿、降雨によって種芋が出ないように藁またはケイントップ(サトウキビ由来)を土寄せした土にかぶせます。
また、周りに茎倒防止のために、ネットを入ります。
汚い水を嫌うので、きれいな水を与える設備もします。
今年は春先に干ばつがあったために生育が悪いそうです。

 収穫は、まず機械で上の葉を切りながら生姜のこぶを引っ張り上げ、手作業で堀り、女性がハサミで切って葉と茎を取ります。
バーコード管理されていて、トレースされています。

 さて、続いては、農場へ。
まず、大生姜です。先ほどの写真をもう一度ご覧ください。


大生姜の畑


試しに抜いてみましょう。





後で、実験しましょう。
 続いては、黄金の農場を見ましょう。


パイナップルのように葉が青々としてますね。

 さあ、本社に戻って実験と官能検査してみましょう。
まずは、千切りとおろした生姜のチェックをします。

上、左からインドネシア、中国(山東省)、国産
下右から国産のひね、塩+酢漬け、新生姜
の六種類です。



大生姜に比べて、中国と黄金はかなり辛いですね。
また、大生姜は香りもよく、甘みがあります。
ガリには早もぎのものが、繊維がなく辛くなので、良いそうです。

辛みの成分は、ジンゲロール、ジンゲロン、ショウガオールで、ジンゲロールを加熱するとショウガオールになり、辛くなくなります。
生姜は、体を温めると思っている人が多いですが、ジンゲロールだとすぐ冷やします。
だから、加熱したほうが良いわけです。
ちなみに、ガリは作るときに辛さを調整するために煮ます。
ジンゲロンには強い殺菌力があり、生姜は昔から肉や魚の臭い消しとして利用されてきまたようです。

ただ、大生姜は、変色しやすいですね。
大衆店はおろし置きをするので、黄金のほうが使いやすいかもしれませんね。

 続いては酢酸でph3に調整した米酢を入れてみましょう。




おお、全然違いますね~
国産とインドネシアにはアントシアニンがありますので反応しますが、中国タネや黄金のようなタネが中国のものは反応しませんね。
ph3以上で発色、すりおろしたときに綺麗に発症するそうです。
これで、中国種かわかるそうです。
ぜひ、お試しを。

株式会社あさの
〒782-0033 高知県香美市土佐山田町1丁目5-25
電話 0887-53-2504





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Last updated  2017.08.31 17:03:36


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