カテゴリ:世界のベストレストラン更新前の記事
《ローカリズムを追求する鮨》鮨処有馬@札幌市
”飲食店の勉強代行業”の大久保一彦はこの時期は寒波到来で危ないので、前乗りで札幌に来た出没しております。 せっかく札幌に来たので、ローカリズムを追求する『鮨処有馬』でこの時期の魚の勉強をしたいと思います。 柳蛸 番茶で炊いたものと柚子胡椒 襟裳のツブ貝 甘海老の昆布じめと新ものの数の子の味噌漬け 日高の八角の西京焼き 身厚で美味しい 松川鰈で巻いた雲丹 鰹のジュレ 毛蟹、イバラガニの内子の塩辛 有馬さんの名物ですね。 お次も名物の、大和蒸しです。 さて、握りです。 積丹 鮃の昆布〆 大間の背トロ 230キロ 噴火湾の活牡丹海老の海老出汁の湯引き 野付の帆立 甘さは過去最高とは言わないですが、この歯ごたえ、野付の帆立の食感ですね。 野付の北寄貝 野付の北寄貝も身厚なので、帆立同様食感が良い。 オホーツクの鰊 刻んだエシャロットで。 とても、鮮度の良い鰊で、身がとてもしっかりしています。 脂のりが良く、岩手の地付き鰊のよう。 白老のきんき 漬け炙り 干した肝 根室沖の鱒の介 生姜と芽ネギのアッシェ いくら マスノスケ 海老の味噌汁 唐墨をかけた白子の炙り 追加 函館 槍烏賊 長崎真鯖 対馬の穴子 鰊 蟹のご飯 鉄火巻き 干瓢巻 今、北海道の生産者や仲卸は値段がつくので消費地、築地に送ってしまうそうです。 物流が革新的に良くなり、ディバイスやネット環境も革新的に良くなり、情報の大衆化がなされたからこその、まさに、グローバリズムの現象です。 グローバル化は富の偏在をより活性化して、金余りやバブルを引き起こします。 だからこそ、消費地の鮨店は全国から取り寄せた素晴らしい食材を驚異の仕入値で買付け、異次元の支払を容認させます。 また地方も、世界中の富裕層が押し寄せるようになり、人気のある鮨店は、東京から材料を築地から買い戻して対抗して、消費地とある意味、あまり変わらない鮨のスタイルとなります。 これも、グローバリズム。 とは言え、故フェルナン・ポワン先生の言うところの、"料理人は故郷に帰"れるようになりました。 このことが、次のステージに導くでしょう。 つまり、この調子でさらなるグローバリズムによる均質化が進めば、産地ならではの個性、すなわち、ローカリズムという個性を求めるようになれば、アリス・ウォータース先生の言うところの、「料理人は生産者に近づくべき」を求めるステージになるでしょう。 アリス・ウォータースの教えは、利便性や快適を追求した大量消費地の時代でしたら、食の工業化による規格化、モジュール化で良い生産者の個性が失われるという、警鐘でした。 今、グローバル化によって、地方の個性はどんどん失われます。 その時に、飲食店は、その地の水と土とカルチャーから生まれるものを持ってローカリズムを追求することができるようになるでしょう。 私が札幌でこちら『鮨処有馬』に来るのも、旭川で『ビストロ・ル・メランジェ』に行くのも、そのヒントがある、と直感的に感じたからでしょう。 レストランはお客様を呼べる、十年以上前に『レジス・マルコン』に行ったとき、私の原点を思い出した夜でした。 ああ、ローカリズムの追求をする塾生が増えそうですね。た・の・し・そ・う。 鮨処有馬 (ありま) 北海道札幌市中央区南3条西4 南3西4ビル4F 電話 011-215-0998 大久保一彦本日のおすすめ 寿司大全【電子書籍】 寿司大全 寿司を愛するすべての人たちへ。 (エイムック) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019.08.03 20:42:27
[世界のベストレストラン更新前の記事] カテゴリの最新記事
|
|