≪ロケーションの良い宿≫ぼたん荘@和歌山県東牟婁郡古座川町
飲食店の勉強代行業の大久保一彦は和歌山県は串本に来ております。せっかく串本に来たので、二年前ほど前から町おこしのためにじゃらんリサーチセンター空飛ぶごろ打ちグルメプロデューサーのヒロ中田氏がプロデュースしたというマグロのしゃぶしゃぶの“串しゃぶしゃぶ御膳”の勉強に参ろうと思います。手元にあるリーフレットによれば、価格はどこも2,800円でドリンク付きを含め3バリエーションあります。近代マグロに代表されます地元串本の鮪の養殖業者が育てた赤身、中トロ、大トロ、野菜、三つのマグロのタレ、各店ごとには違いますがマグロ寿司は共通エレメンツだそうで、四件やっているそうです。 午後4時30分ころ、まずは串本ロイヤルホテルに電話すると、予約でランチのみと回答があり、割烹の『精乃門』を紹介されました。しかし、こちらも、予約でしかやっていないとの回答。潮岬観光タワーも4時30分までだそうで、じゃあ、鰹茶漬けで名を馳せる『萬口』にいってみると、こちらは18時開店ということで、ちょっと古座川町は遠いかなとおもいつつ電話してみると、1時間いただければOK快く返事をいただけたので、こちらに行くことになりました。 串本から20分弱、古座川町にある目的の店というか宿、『ぼたん荘』に到着しました。道すがら、ホームページを見ると『ぼたん荘』といういけてない名前、意外とがんばっている料理主体のホームページをみるとぼたん鍋が名物の“芽生え会”加入の料理旅館かという事前期待を裏切り、とても立派な箱。 「あはー、町でふるさと創生かなんかで建てたやつだにゃ・・」これ最初の印象。 店長さんらしき孤軍奮闘されているスタッフに聞いてみると、町が経てたものを委託運営しているということです。こういうの全国各地にありますね。卒業生であります『方舟』を展開しております原さんも、北陸のこの手の宿をがんがん入札して落札してますね。ちなみ、観光協会が中にありレセプションを兼ねております。 さて、こちら『ぼたん荘』、川に面したとてもいいロケーションに温泉つきであります。私が野草で行き来しているグリーンツーリズムで町おこしをしている福岡県の上毛町の集落に似ています。 さて、少しばかり早く『ぼたん荘』に到着しまして、お食事処行くと、「準備ができるまでロビーでお待ちください」とのことです。ロビーは素敵です。こちらのデザイン・設計はかんぽの宿の仕事をしているお役所に結び付いている方かもしれません。造りがとても似ています。とても素晴らしいハコです。 いただけないのは、うどん屋のようなお食事処。朝食や多目的に使うことを考えるとこんなふうになるのはわかりますが、もう少しつくりがあったようには思います。宿泊料金が15,000~20,000円くらいなので、部屋食なのかもしれませんが、もし、ここだと弱い気がします。 店長さん?はとても、感じがよく、一生懸命やられています。 さて、“串しゃぶ御膳”が登場。見た目は「おーっ」とはします。串本の養殖業者のマグロ大トロ、中トロ、赤身、野菜の四段。紙鍋に、マグロかつの太巻き、マグロの入った生春巻きが添えられています。 「こりゃ手間がかかる。それにマグロがロスになりそう!だからフェイドアウトしたんだな」これ、冷静に考えた感想。 まず、生で実食。「冷たい!」これ感想。「一時間後にした理由はこれやな。解凍してたんだろうな・・。だから料理人がいる店はやらないんだな」そう考えるとこちら『ぼたん荘』はとても良心的な店ですね。 続いてしゃぶしゃぶしてみます。まず、野菜を入れて、まず、野菜を紙鍋に入れ、赤身(赤身には見えませんが)を入れます。“串本”だからか“串”つきで、これでしゃぶしゃぶするとのこと。でも、しゃぶしにくい気が・・ さて、お味ですが、マグロをしゃぶしゃぶしてしまうとマグロの一番の良さ、もちっとした食感が無くなってしまいますね。正直生で食べたほうがいい印象です。三種もタレもイマイチかな。 本来なら厚く切りつけたほうがおいしいのでしょうが、近代鮪の原価を考えると無理なんでしょう。これは、那智勝浦の『桂城』で食べたトロメカジキのしゃぶしゃぶと比べて、あまりにイマイチでした。鍋のせいなのか、マグロの脂の質のせいなのかはよくわかりませんが、近代マグロが刺身のマグロとして開発されたことが大きいように思いました。 最後に杏仁豆腐。 古座川は天然大鰻がとれる場所、次回は鰻や鮎を食べに来たいですね。料理の評価は、他の料理は食べていないので今回の“串しゃぶ御膳”の評価のみに限定としておきます。 最後に、コンサル目線。串本というと海のイメージがありますが、それとはかなりかけ離れています。“串しゃぶ御膳”が合うかは微妙ですね。しかし、私たちのようにかなり執念深ければ、これを食べにこの地に来る可能性があることを考えれば、これはこれで集客機能は果たしているのかもしれません。しかし、このしゃぶしゃぶがあまりマグロのおいしさの特性を活かしていないので、リピートはないかもしれません。商品フレームありきの場合、そのフレームを考える人が食材の特性を熟知していないとフェイドアウトする、そんな事例の勉強ができたような気がします。ぼたん荘和歌山県東牟婁郡古座川町月野瀬881-1電話 0735-72-0376