茨の道
熊倉さん○○さんから、酷い言われ方で指導受けているみたいだけど、大丈夫?
今日副店長から言われた。
もし行き過ぎた指導だったら、注意しておくからと。
以前から、自分だったら絶対やらない、行き過ぎた指導を受けている事は確かだった。
でも、何だか眠れないほど、私をどう指導していくか考えて下さっているようで、ありがたいです。
と答えていた。
おっかない人はどこに行ったって居た。
おっかない人に散々指導されてきたし、自分がおっかない人になって指導したこともあった。
何で、私ばかりこんなに言われるんだろうと、悩んだこともあるんですけど、色々私の事を考えて下さっているようで、ありがたいです。
と、副店長に答えている自分に驚いた。
家ではその指導者さんの悪口を散々言っていたのに、この変わりようは何だったのか。
副店長さんから、チクショーやってやる。
と思ってくれたら、いいんだけどね。
という言葉を貰った。
私は何て事を言ってしまったのだろう。
厳しい指導者さんに素直に注意して貰えば良かったのではないか。
厳しい指導者さんは、休みの日も発注の為に仕事に来て、毎日10時間働いている50代の独身女性だ。
勤続10年。
10年間、会社に身を捧げてきたひとだ。
親と住んでいて、一切の家事は家族にやってもらっているそうだ。
毎日仕事に来ているのに、たまたま休みの日にこんなことを、影で言われていたら、たまったものでは、ないだろう。
昔、大学病院で社畜のように、7年間働かされて捨てられた苦い過去があったので、
ついつい、その指導者さんを自分に投影し、庇ってしまったのだった。
家に帰って母に話したら、お前は本当にいい子ちゃんになろうとする。
バカな奴だ。と言われた。
私は何で厳しい指導者を庇ったのだろう。
わからないが、とっさに言葉がでていた。
自分でも不思議な事が起きた。
これからは、何を言われても誰も庇ってくれなくなるかもしれないのに。
何故自ら茨の道を選ぶのだろうか。
もっと、甘えても良かったのではないか。